京都が誇る名プロダクト「開花堂の茶筒」がBluetoothスピーカーに!?

写真拡大 (全5枚)

雅な日本文化に関心がある人なら、一度は手にしたことがあるであろう京都・開化堂の茶筒。長い伝統の中で培われた完璧なフォルム、使い込むほどに深まる金属の味わいは、本物の道具を愛する人だけが知る喜びです。

その開化堂とパナソニックがタッグを組んで誕生したのが「ワイヤレススピーカーシステム 響筒(きょうづつ)SC-KKL01」(30万円/税別)。日本を代表する家電メーカーと、明治初期創業の老舗の共創という異色のコラボ、ちょっと今までにないサウンド体験かもしれません。

これはパナソニックが2015年から取り組む “Kyoto KADEN Lab.” なる共創プロジェクトから生まれたもの。同社の家電デザイナーが、京都の伝統工芸の継承者とともに、日本の感性とモノづくりの原点を探り、未来のくらしを豊かにする新たな家電を研究しようとするものです。これまでもさまざまなプロトタイプを開発してきましたが、実際に商品化するのは今回の「響筒」が初めてとのこと。

ものすごく端的に言ってしまえば、開化堂が本製品のために特別に作った手作り茶筒にワイヤレススピーカーを搭載したBluetoothスピーカーなのですが、その楽しみ方はこれまでの音楽体験とは全く違うもの。

例えば開化堂の茶筒の特長として挙げられるもののひとつに、極めて優れた密封性があります。蓋を載せるとその重さでするりと静かに沈み、寸分の隙なく収まる様は、思わず見惚れる美しさ。

もちろんこれは本来、中に入れた茶の風味や味を損なわないためのものですが、「響筒」が注目したのはまさにこの開閉の瞬間。蓋の開け閉めとサウンドON/OFFを連動させることで、蓋部分を持ち上げるとまるで茶葉の香りが広がるように音が立ち上がり、逆に閉じる際には蓋部分が重力に従って沈みながら、音もゆっくりとフェードアウト。デジタル家電と呼ぶには、あまりにも風雅な仕様です。

また通常は室内や屋外の好みの場所に設置して音楽を楽しむワイヤレススピーカーですが、「響筒」では使う人が手のひらの上に直接乗せ、その感触を愛でながら音を楽しむという使い方を想定。

こうした用途に合わせて、内部スピーカーは0.01mm単位まできめ細かく調整して固定、パナソニック独自開発のDSP(Digital Signal Processor)により、低音から高音まで、自然で聴きやすいサウンドが優しく立ち上ります。本体には「響筒」のためだけに創られたオリジナル音源を収録しており、オルゴールのように音楽を楽しめるようになっています。

真鍮製の茶筒は経年とともに徐々に濃い飴色に変化。そのなめらかな感触とともに、使い込むほどに愛着がわいてきそう。底面には本革を、そして付属の充電台は置くだけで充電が可能な非接触給電方式を採用。まるで香道や茶道のように音楽を愛でることができる、特別なサウンドアイテムです。

スピーカーの形式としては1ウェイバスレフ型スピーカーで、BluetoothはVer 4.2、対応コーデックはAACとSBC。11月8日より、開化堂にて100台の数量限定販売を予定。また、そのうち30台については10月5日より数量限定にて先行予約を受け付けています。

>> パナソニック「響筒」

 

(文/&GP編集部)