韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最側近で、一族の疑惑が続出していた「タマネギ男」ことチョ国(チョ・グク)法相が14日、電撃辞任した。文政権と対峙(たいじ)する検察の弱体化を狙った「検察改革」を主導していただけに、文氏は大打撃を受けそうだ。専門家が、就任から36日でチョ氏が辞任に追い込まれた「3つの理由」を指摘した。

 「これ以上は、私の家族のことで大統領や政府に負担をかけてはならないと判断した。私が職務から退いてこそ、検察改革の成功裏の完遂が可能な時間がくると思う」

 チョ氏は14日午後、辞任理由をこう語った。

 同日午前、チョ氏は「検察特捜部の縮小」を骨子とする改革案を発表した。その数時間後の辞任劇について、聯合ニュース(日本語電子版)は「突然だった法相の辞意表明 大統領府も当惑」と報じている。

 任命責任が追及される文氏は「結果的に、国民に多くの葛藤を招いた点について非常に申し訳なく思う」と肩を落とした。

 先月初めにチョ氏を強行任命してから、文政権への風向きは変わった。

 ソウルで今月3日、チョ氏の辞任と文政権打倒を求める大規模集会が開かれ、「300万人が参加した」(主催者発表)という。世論調査会社「リアルメーター」は14日、文大統領の国政遂行支持率が過去最低の41・4%まで落ち込んだと発表した。

 チョ氏の電撃辞任の理由をどう見るか。

 龍谷大学の李相哲教授は「第1に、チョ氏が法相に居座り続け、支持率を低下させれば、文政権自体が傾く危険性がある。政権の負担を軽減させる選択だったのだろう。第2に、今後開催される国会の聴聞会で、チョ氏が虚偽の答弁を展開すれば、重い偽証罪で問われる可能性がある。第3に、妻の逮捕もささやかれるなか、これ以上、家族に負担をかけることはできないと考えたのだろう」と解説する。

 「国民中心の国づくり」を掲げてきた文氏にとって、最側近がスキャンダルまみれで辞任したことは大打撃となりそうだ。

 前出の李氏は「検察は捜査範囲をかなり広げており、チョ氏だけでなく、与党関係者にも腐敗の噂が出ている。『文政権と検察の対決』は、さらに激化することになるだろう」と分析した。