台風19号で水害被害が出た多摩川と、過去に何度も氾濫して「暴れ川」と呼ばれていたものの、今回は被害がなかった鶴見川。東京と神奈川を流れる2つの川で違っていたのは「遊水地」だった。

鶴見川には河川から水を一時的に引き込んでためる「遊水地」がある。13日(2019年10月)にラグビーワールドカップの日本対スコットランド戦が行われた横浜国際総合競技場がある一角で、ふだんは公園や駐車場として利用されている。

東京工業大学の鼎信次郎教授によると、堤防の少し低い「越流堤」と呼ばれる箇所があり、大雨の時はそこから遊水地に水が入る仕組みになっている。東京ドーム約3杯分の水をためることが可能で、03年に遊水地の運用が始まって以降、鶴見川は氾濫していない。

きのう15日の夜、鶴見川の遊水池を取材した気象予報士の天達武史は「改めて上から見ると、すごく広いですよね。心強い施設です」とリポートしていた。

都心には「地下神殿」あふれた水を集めて江戸川に流す首都圏外郭放水路

一方、多摩川にはこのような遊水地がない。このため、本流が増水して支流の水が合流できなかったり、逆流するバックウォーターという現象が発生したとみられる。

さらに、氾濫箇所には堤防がなかった。「歴史的に行楽地のようにみんなが楽しむ場所だったので、堤防を造らない方がいいのではないかという意見があり、整備が遅れていました」と鼎教授は指摘する。

首都圏には、地下50メートルに造られた神殿のような世界最大規模の「首都圏外郭放水路」がある。氾濫が迫る近くの川の水を取り込み、トンネルを通じて江戸川へと流す仕組みだ。台風19号ではフル稼働し、トータルで東京ドーム10杯分の約1208万立方メートルの水を調節した。

鼎教授「これらの遊水池や放水路がなければ、都心も大洪水、大水害になっていたかもしれません」

古市憲寿キャスター「僕たちは非日常のために生きているわけではないので、費用がどれぐらいかかるのか、どれぐらいの頻度で使うのかということも気になります」