【連載・東京2020】大迫敬介／前編「広島ユースは理想郷だった。高校サッカーの選択肢もあったけど…」
――なぜ、そこまで具体的な道筋を考えられるようになったのですか？
「たしかにプロになるまでをイメージするのは難しかったですね。今でこそ鹿児島ユナイテッドFCがありますけど、僕が中学の時に、鹿児島にはプロクラブはなくて、なかなかプロのサッカーに触れあうことがなかったですから。でも中学校のチームが遠征で、アビスパ福岡の試合に連れて行ってくれたり、そういうところで刺激を受けていました」
――実際に広島ユースに入ってからは、高１から公式戦で出番を掴んでいましたね。これはイメージどおりでしたか？
「そうですね。幸いファーストチームがプレミアリーグで、セカンドチームがプリンスリーグと、広島ユースはどちらもレベルの高いリーグに在籍していましたから、出番は多く回ってきました。最初はプリンスリーグでしたけど、途中からプレミアリーグにも出させてもらって、すごく良い経験が出来ました」
――高校２年生の時に高円宮杯でチャンピオンシップ決勝進出したのも大きな経験だったのでは？
「ただその試合は最後PK戦で負けてしまって、本当に悔しかった。あと一歩のところで勝てなかった。高校時代はそういう悔しい想いはいっぱいしてきました」
――しかしその大会でMIP（Most Impressive Player）賞に輝く。手応えやこの世代を代表するという自信はあった？
「引っ張っていきたいという気持ちはありました。あの時、青森山田のGKは廣末陸くん（現・山口）で、代表でも一緒にやったことがある選手。同期には京都の若原（智哉）選手もいて、そういったライバルの選手がいるなかで、自分がひとつ抜けて活躍したいという想いはありますね」
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10月21日にお届けする中編では、高校時代に感じていた意外なウィークポイント、プロ１年目の苦悩などを話してもらっている。
PROFILE
大迫敬介／おおさこ・けいすけ／1999年７月28日生まれ、鹿児島出身。186�臓�86�繊９焼�SSS―フェリシドFC―広島ユース―広島。プロ２年目の昨季までは公式戦で出番を得られなかったが、自分と向き合い、コツコツとトレーニングを積んできた。今年は５月にA代表に選出され、６月に開催されたコパ・アメリカではチリ戦で代表デビューを飾った。
取材・文●多田哲平（サッカーダイジェスト編集部）
