<世界各地でデモを繰り広げている環境保護を訴える市民運動「エクスティンクション・リベリオン(絶滅への反逆)」。ロンドンでさらに拡大している......>

ベルギー王女など逮捕者1400人超

環境保護を訴える市民団体「エクスティンクション・リベリオン」(絶滅への反逆、略してXR)は10月7日から世界各地でデモを繰り広げており、英ロンドンでは、地元紙メトロによると現地時間14日時点で、1400人以上の逮捕者が出るほどの事態になっている。これまでに、ロンドン・シティ空港占拠の他、トラファルガー広場での座り込みやイベント、金融街シティでの座り込みなどが行われた。

トラファルガー広場では、ベルギー王室のマリー=エスメラルダ王女が10日、座り込みに参加した際に逮捕された。エスメラルダ王女はベルギーのフィリップ国王の叔母にあたり、第4代ベルギー国王レオポルド3世の娘。ジャーナリストや環境活動家として活動している。

英スカイニュースは、エスメラルダ王女が警察署から受け取った手紙の写真を掲載。そこには、今回は起訴せずに釈放するが、捜査は続行し、新たな証拠が見つかれば再逮捕の可能性があると記されている。

トラファルガー広場では他にも、俳優のベネディクト・カンバーバッチさんなどが座り込みに参加し、ボリス・ジョンソン首相の父親スタンレー・ジョンソンさんがイベントで講演するなど、著名人の姿が目立った。

カンバーバッチさんへは「偽善者」との批判も

英デイリーメールによるとカンバーバッチさんは9日、トラファルガー広場に姿を現した。ロンドンで映画「Louis Wain」(ルイス・ウェイン、邦題未定)の撮影中だったというカンバーバッチさんは、座り込みで夜を明かそうと準備をしていたデモ参加者と一緒に座り、写真撮影に応じたり、おしゃべりしたりして数時間、一緒に過ごしたという。

とはいえ、カンバーバッチさんは英自動車メーカー、MGがインドで展開しているコンパクトSUV「ヘクター」のブランド・アンバサダーとしてコマーシャルにも出演している。そのためデモへの参加が「偽善的」だと批判する声も上がっている。

CMの中でカンバーバッチさんは、トラファルガー広場やウェストミンスター橋、国会議事堂前などをヘクターで走り抜ける。エクスプレス紙はこの車がガソリン・エンジンを搭載しており、CMで通り抜けるのは、XRのデモ活動により封鎖されている道路だと皮肉を込めて伝えている。サン紙によると、こうしたことからツイッターには、「聖人ぶった詐欺師」「浅はか」などカンバーバッチさんを批判する声もあったという。

松丸さとみ