60代の男性が亡くなったマンション(中央)は、12日深夜の時点で1階部分が完全に水没していた=川崎市高津区溝口6丁目、門山貴幸さん提供

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 各地に大雨被害をもたらした台風19号で、13日午後9時までの朝日新聞の集計では、少なくとも29人が死亡、14人が行方不明となっている。

 国土交通省などによると、関東や東北など計21河川で堤防が決壊して浸水するなど、東日本を中心に36都道府県に被害は広がっている。

 この台風の影響で、関東や東北など10県で計29人が亡くなった。宮城県で6人、福島県で5人が亡くなったほか、栃木県や神奈川県、群馬県でそれぞれ4人が死亡した。長野県では4人が行方不明になっている。河川の水が広範囲にあふれ出たことなどから、各地で計1697棟が床上浸水し、1666棟が床下浸水した。さらに被害は広がりそうだ。ほかに川崎市の沖合で12日夜、パナマ船籍の貨物船が沈没し、5人が死亡、3人が不明となっている。

 気象庁によると、台風19号の12日夜までの48時間雨量は、神奈川県箱根町で1001・0ミリに達し、静岡県伊豆市で760・0ミリ、埼玉県秩父市で687・0ミリを記録。それぞれ観測史上1位を更新した。24時間雨量では、宮城県で600ミリ近く、福島県で400ミリを観測した地点もあり、東北の17地点が記録を塗り替えた。

 大雨で急な増水に耐えられず、各地で堤防が決壊。国交省によると、13日午後4時現在、千曲(ちくま)川(長野市)や久慈川(茨城県常陸大宮市)など6県で、国と県が管理する21河川24カ所の堤防が決壊した。国管理の24河川、都道府県管理の118河川でも水が堤防を越えたという。

 ダムの貯水量が急増して決壊するのを防ぐための緊急放流も12日夜から13日未明にかけて、長野、茨城、神奈川、栃木、福島の5県6カ所で実施された。

 国交省北陸地方整備局によると、千曲川では13日午前2時15分ごろから堤防が壊れ始め、朝方にかけて決壊したとみられる。広範囲に水があふれ出し、多くの住宅が浸水した。北陸新幹線の保守点検を担うJR東日本の長野新幹線車両センターも浸水し、車両計10編成が水につかった。

 宮城県丸森町では阿武隈(あぶくま)川の増水によって中心部が冠水し、町役場が孤立した。埼玉県川越市では越辺(おっぺ)川の堤防が決壊し、老人施設が孤立状態になるなど、各地で浸水被害が相次いだ。岩手や福島、山梨、静岡など15都県の計56カ所で、土石流やがけ崩れも発生した。

 国交省利根川下流河川事務所によると、利根川は13日午後6時現在、茨城県稲敷市の横利根観測所で氾濫(はんらん)危険水位の4・4メートルを超えた。水位は上昇しており、同事務所は流域の自治体に警戒を呼びかけている。