喜美子(戸田恵梨香)は15歳の春、一人で汽車に乗り就職のために大阪へ向かった。大阪はかつて住んでいたところとはいえ、人が多く、知らない人ばかりで心細い。父親の川原常治(北村一輝)が喜美子のために見つけてきた荒木商事へ向かう。女性下着のデザイン会社で、社長の荒木さだ(羽野晶紀)が率いる華やかな職場だった。

さだ「これな、ブラジャーゆうの。ちょっと前までは乳バンドいうてた。喜美子ちゃんゆうたか、あんたも着けてみる?」

初めて触るブラジャーに喜美子は戸惑う。女子社員たちが笑って見ているなか、さだは真剣に話す。「(この事業を)女の遊びちゃうかとバカにする人もおるけど、こっからおっきな会社にしてゆくんよ」

男ばっかりだった丸熊陶業と正反対の世界だと喜美子は気づき、下着モデルでさえもやってみせると意気込み、「はい。私、頑張ります」と元気よく返事をしたが、さだが、「ちゃうちゃう」と手を振った。「喜美ちゃんは、私も住んでる「荒木荘」ゆう下宿屋の女中さんや。うち、あんたのお母さんの遠縁なんや。ゆうても、お互いよう知りません。そやのに無理にツテ頼って来られて。何べんも頭下げて・・・」

喜美子は父親が大阪で就職先を必死になって探し回ってくれたことがわかり、胸が熱くなった。

自分の部屋を与えられて大喜びしていると見知らぬ青年が入ってきた

女中の仕事にがっかりしてはいけないと心に決め、さだと「荒木荘」へ向かう。

前掛けで手を拭きながら出てきた「荒木荘」の元女中、久保のぶ子(三林京子)は、喜美子を見るなり厳しくいう。「わかりました。ほんならさっそく手伝い始めてもらいます」

さだ「まあ、きょうぐらいゆっくりさせてやって。ご飯食べてな」

喜美子は賄い付きの仕事に驚き、さらに四畳半の部屋まで準備されていることに大喜びだ。「うちだけの部屋、初めてや」

そこに青年が入ってきた。「荒木荘」の2階に住んでいる酒田圭介(溝端淳平)で、何をしに来たんだろう。酒田が部屋から出て行くと、喜美子はホッとして襖に勢いよく寄りかかった。すると襖がバッターンと倒れて、隣の部屋には・・・。(NHK総合10月14日あさ8時)