広瀬すず(左)とのん(C)日刊ゲンダイ

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「『テレビから干す』芸能界変わるか」――。10月7日付「朝日新聞」の2面にこんなおどろおどろしい見出しがついた記事が掲載された。

CMや配信で復活の兆しも…「のん」が干された決定的な理由

 2013年に朝ドラ「あまちゃん」でブレークした能年玲奈(26=現在はのん)と元SMAPの3人〜稲垣吾郎(45)、香取慎吾(42)、草磲剛(45)〜を例に挙げ、所属事務所から独立や移籍を画策した人気タレントは表舞台(テレビ)から“干されてしまう”現状を浮き彫りにしたものだった。

 また、朝日の記事は「テレビ・タレント・芸能事務所の共同体を安定的に維持するには『干す』文化は必然だった」と話す民放幹部のコメントを紹介し、業界に何らかの“癒着”があることを示唆した。今、この記事をめぐり、芸能マスコミの間でさまざまな臆測が流れている。最近まで朝ドラ「なつぞら」でヒロインを務め、高視聴率をキープし続けた広瀬すず(21)が、のんの二の舞いにならないか危惧する声が上がり始めているのだ。

 広瀬は朝ドラが終わると、休む間もなく演出家・野田秀樹作・演出の舞台「Q:A Night At The Kabuki」に出演。来年3月には主演映画「一度死んでみた」も公開予定で、CM・映画・ドラマの出演オファーが殺到している。芸能活動は順風満帆そのものに見えるが、こうした人気女優の耳には必ずと言っていいほど、共演俳優や業界関係者を通じて“悪魔の囁き”の類いの情報が耳に入る。

「すずちゃんは今、毎月いくらぐらい事務所からもらっているの?」

「えェ! そんなに少ないの? もっともらわないと後で後悔することになるよ!」

「すずちゃんくらいになったら、仕事を選ばなくちゃダメ! 事務所に言われるままに仕事をしていたら視聴者に飽きられた揚げ句、ポイ捨てされちゃうヨ!」

 といった具合だ。悪魔たちは心配するフリをして囁き続ける。もし広瀬を“ヘッドハンティング”できれば共演俳優は大手柄だし、移籍先の芸能プロは利益に直結する。それを阻止するための手段が朝日の記事が言うところの「干す文化」なわけだが、もうひとつの方法はお金だ。「女性セブン」(10月24日号)は、広瀬のギャラが現在の業界最高額といわれる米倉涼子(44)に次ぐクラスにまで跳ね上がったことを伝えた。

■女優魂が芽生えたのに…

 しかし、女優に限らず、人はお金がすべてとは限らない。最近の広瀬の“変化”についてある芸能関係者は次のように語った。

「1年近い拘束期間があった『なつぞら』がようやく終わったばかり。それなのに、広瀬さんが続けざまに野田氏の舞台に挑戦したのは『女優としてもうワンランク上を目指したい』という強い向上心が芽生えたからでしょう。彼女は親しい役者仲間に『将来的には海外で演技の勉強をしたい』と漏らしているそうです」

 大手の芸能プロなら所属俳優をのんびり遊ばせながら勉強させ、しっかりと育てる体力も時間もあるだろうが、広瀬が現在所属する中堅の芸能プロに、そうした余力がどれだけあるかは定かではない。

 かつて広瀬と同じ事務所に所属した長谷川博己(42)は役者として自分が目指す方向性と、事務所が営業面で希望する条件の折り合いが付かずに別の芸能プロに移籍したと聞く。それが円満独立なら双方にとってハッピーな話になるが、あの元SMAPの3人ですらそれがかなわなかった現実がある。いくら公正取引委員会が重い腰を上げて動きだそうが、旧態依然の芸能界の体質が即座に刷新されるとは考えにくい。ソフトランディングはそれほどまでに難しい。

 女優魂が芽生えた広瀬に明るい未来が待っていると信じたいところだ。

(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)