ニューヨーク市での映画&TV撮影に規制措置?地元民が受ける損失とは

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『SEX AND THE CITY』や『ゴシップ・ガール』『マーベラス・ミセス・メイゼル』など、数々の人気シリーズが撮影されているニューヨーク。そんな大都市では現在、映画&TVの撮影を規制する措置が検討されているという。ニューヨーク市で一体何が起きているのか。米Indie Wireが伝えた。

コストがかかると言われるニューヨーク市内での撮影だが、同地での撮影を望む声は後を絶たず、Netflixとライオンズゲートは自社独自のスタジオを設立することも発表している。しかし、このように続く映画やTVの撮影が地元住民の負担になっているというのだ。

ニューヨーク市議会議員のロバート・F・ホールデン氏は、米Showtimeの『ビリオンズ』が"ラクダの背を折った藁(物事には限度があるの意)"になったとコメント。『ビリオンズ』の制作は昨年のクリスマスシーズンにクイーンズ区の商業通りを独占する形で行われたが、MOME(Mayor's Office of Media and Entertainment)の規定すべてに違反していたと言えるほどひどい運営で、稼ぎ時のホリデーシーズンに地元のショッピング事業が受けた損失は大きかったという。

議会によれば、MOMEの事務所の人員不足により現場の監督が困難な状況だったことが、この事態を招いた大きな要因だったという。市議のマーク・レヴィン氏はホールデン氏をはじめとする同僚の不満に反論し、昔から続くTVや映画の撮影が地元の企業と経済を支援したという数多くの成功事例を無視していると主張した。

そもそも、ニューヨーク市内での撮影がメジャーになったのは、マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長(2002年〜2013年)の時代。当時のニューヨーク市は、ブルームバーグ氏のもとでフィルムコミッショナーを務めていたカレン・オリバー氏を筆頭に、スタジオと密接に連携して、ニューヨーク市の"撮影不可能な場所"という認識を大きく変えたと言われている。さらに、州の税制優遇措置の導入も後押しし、ニューヨーク市はTV&映画の主要な生産拠点へと発展。現在は、シーズン毎に60を超えるTVシリーズが撮影されており、州への年間支出は推定89億ドル(約9500億円)とされている。

ビル・デブラシオ現市長も市内でのロケをサポートしているが、「製作の評判の維持」「住民の負担を軽減」「地元ビジネスのサポート」が何よりも重要であり、現在、MOMEの代表カスティーリョ氏は地域からの苦情に対応しながら、今後は議会と協力して解決策を見つけ、6ヶ月以内に改善することを約束している。議会内でも、州内での撮影を賛同する声はあるため、急に厳格な取り締まりが行われることはないはずだが、今後もドラマや映画の中でニューヨークの街並みを見れるように、製作サイドも地元住民も納得する改善策を見つけてほしい。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ゴシップ・ガール』撮影現場(C)DARA KUSHNER/FAMOUS