こんにちは、世界を旅する犬猫写真家、新美敬子です。今回の舞台は、ヨーロッパ有数のリゾート地レマン湖です。レマン湖畔で代表的な観光地であるニヨンとイヴォワールを訪ねます。

 ニヨン城前の広場を早朝訪れると、退屈そうにしている三毛猫と出会いました。この三毛は、広場に面した小さな書店の猫で、まだ誰もいない早朝にここで過ごすのが日課だそうです。

 こちらはニヨン城の近くから、湖を見下ろした風景です。

 威厳ある建物に囲まれた路地を進んで行くと、風の通り道でくつろいでいる猫に遭遇しました。

 近づいて話しかけると、「かまってくれる人を待っていたんだよー」と、体全体で歓迎してくれました。

 細めの三日月(フランス語ではクロワッサン)のような形をしたレマン湖は、スイスとフランスの国境にあり、湖の約5分の3がスイスに、約5分の2がフランスに属しています。

スイスの西端、フランスとの国境にあるレマン湖(Googleマップ)


 レマン湖の中核都市ジュネーブには、国際連盟本部や世界保健機構などさまざまな国際機関の本部がおかれています。このほか、モントルー・ジャズ・フェスティバルの開催地であるモントルーや、国際バレエコンクールが行われるローザンヌも、レマン湖畔にあります。

 レマン湖の北側はスイスです。湖の西端に位置するジュネーブから、北東約22kmの地点にニヨンはあります。

 ニヨン城は、ニヨン周辺を統治する領主の居城として12世紀に建てられました。フランス革命後の19世紀初頭には、スイス・ヴォー州ニヨン市の所有となり、市議会場、市庁舎、裁判所、刑務所などに使用されました。1888年からは、ニヨン焼き(陶器)などの博物館として一般公開されています。

 ニヨン旧市街に掲げられた旗。右はレマン湖に棲む淡水魚をデザインした自治体の旗、中央はスイスの国旗、左は所属するヴォー州の旗です。

 振り返ったときにアイコンタクトが取れました。「ついて来てもいいよ」という合図と受け取ったので、後についていくと・・・。

 精悍だけれど優しいことが一目でわかる犬と出会いました。

「賢そうなワンちゃんね。かっこいいな」と、声をかけながらあいさつし、ヨシヨシとなでていたら、母犬が現れました。右が母犬です。「そうなのよ、わたしの息子なの! いい子でしょ!?」と、自慢しているようでした。もちろん母犬も、褒めちぎってやりました。

 週末の住宅地。美しい猫が路上に横たわってシッポを振っていました。「こちらへおいで」と誘っているようでした。

 この猫は、石を積み上げた塀に顔をこすりつけて、注目してほしそうでした。

「きれいな猫ちゃんねー」と言うと塀に登り、「もっと言って、ほめて」と催促しているかのように、ゴロゴロと喉を鳴らしました。

 車の通りが少ない道を歩いていると、次々と猫が現れました。この先は行き止まりになっていて、車が通り抜けることがないのです。寝転がっていても安心だと、猫たちはよく知っていたわけです。なるほど〜と思いました。

 この猫は、わたしの前で毛繕いをはじめました。

 こちらの猫は、かなり年をとっているようです。

 共同住宅に住む初老の婦人は、「私が飼っているわけじゃないから、詳しいことはわからないけれど、ここにいる3匹は同じ家の猫ですよ」と教えてくれました。

 その共同住宅の一室で猫3匹と暮らしていたカップルが、海外へ引っ越すことになったそうです。猫たちはこの地での暮らしに馴染んでいるので、いっしょに引越しをしないようがいいだろうと彼らは考えました。そして、猫たちと同居することを条件に借主を探したというのです。

 3匹は、お気に入りの空間で暮らし続けています。「犬は人につき、猫は家につく」といいますが、スイスにも同じようなことわざがあるのでしょうか。

  ニヨンから見たレマン湖の日の出です。

 後編は、ニヨンの対岸にある町、イヴォワールを訪ねます。これは岸を離れるフェリーから見たニヨンの街並みです。

※ニヨン、イヴォワールへの行き方
 日本からはまず、レマン湖畔の国際都市ジュネーブを目指し、ヘルシンキ、ワルシャワ、ブリュッセル、デュッセルドルフ、ロンドン・ヒースロー空港などで乗り換えます。乗り換え時間を含め、最速は羽田〜ミュンヘン〜ジュネーブで、13時間50分です。

 ジュネーブ・コアントラン国際空港からニヨン駅までは電車で25分です。ニヨンからイヴォワールへはフェリーで20分です。

後編へつづく
レマン湖対岸へ、真っ黒犬と真っ黒猫に遭遇

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57863

筆者:新美 敬子