電車の多くは、屋根上の「パンタグラフ」と呼ばれる装置から、走行などに必要な電気を得ます。しかし、東京メトロ銀座線の電車には、パンタグラフがありません。電気をどこから得ているのでしょうか。

丸ノ内線もパンタグラフがない

 東京メトロ銀座線の電車には、車体の上に電気を得るためのパンタグラフがありません。どのように電気を得ているのか、東京メトロに聞きました。


銀座線の1000系電車。屋根上にはパンタグラフがない(2017年1月、恵 知仁撮影)。

――なぜ銀座線の電車には、パンタグラフがないのでしょうか?

 トンネル断面を縮小するためです(編集部注:かんたんに言えば、トンネルを細くするため)。地下トンネルが大部分を占める地下鉄において、トンネル断面を縮小することは、建設コストなどの観点からも大きなメリットがあります。

――では、銀座線はどのようにして電気を得ているのでしょうか?

 サードレール方式(第三軌条方式)で電気を得ています。

 サードレールとは英語で「Third Rail」、すなわち3番目のレールです。銀座線の線路を見ると、2本のレールとは別にもう1本、横側にレールが設置されています。このレールには電気が流れており、銀座線の電車はここから電気を得ているのです。丸ノ内線もサードレール方式を採用しており、車両にはパンタグラフがありません。

※ ※ ※

 東京メトロは東京都心部を中心に、全部で9の路線を運行しています。しかし、トンネル建設コストを抑えるためのサードレール方式なのは、銀座線と丸ノ内線の2路線のみ。なぜほかの路線では採用されないのでしょうか。

「他社線との直通運転を見越して路線が計画されたためです」(東京メトロ広報部)

 銀座線と丸ノ内線以外の7路線は、ほかの鉄道会社の路線と直通運転をしています。直通先の路線はすべて、パンタグラフを介して線路上空に張られた架線から電気を得る「架空電車線方式」を採用。そのため、規格を統一する必要があったのです。