中国メディアは、「日本がかつては誇りにしていたインフラは、今では日本の負担になっている」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本はアジア一の先進国として、インフラ面でも他国に先駆けて整備を行ってきた。かつては近隣諸国からはうらやましがれる存在だったが、近年では当時建設したインフラ設備が古くなり、逆に悩みの種になっている面もある。中国メディアの今日頭条は9日、「日本がかつては誇りにしていたインフラは、今では日本の負担になっている」とする記事を掲載した。

 記事はまず、日本は世界的に見ても最もインフラが整った国の1つだと称賛。鉄道も道路も完備されていて、「蜘蛛の巣」のような地下鉄を利用するとそれを実感するという。ではなぜそのために日本が頭を悩ませるのだろうか。

 記事は、日本のインフラはかなり「早い時期に建設されたため」と指摘している。そのおかげで日本経済の発展に貢献したわけだが、戦後に建設された橋やトンネルなどのインフラはほとんどが50年以上経過しており老朽化が進んでいると指摘。台風15号の影響で千葉県の数十万戸に停電の被害が出たのは記憶に新しいが、それも鉄塔2基が倒れたためだった。記事によるとこの鉄塔は1972年に建てられたもので、日本にはこうした鉄塔が25万基もあるそうだ。インフラの老朽化の問題は鉄塔だけではないはずだ。

 筆者は、中国人の考えでは、また新たに作り直せばいいではないかと思うものだが、日本は「経済が停滞していて高齢化の問題もある」ためそういうわけにはいかず、頭を悩ませているのだと説明した。その点、中国はインフラ後発国ではあるが、そのおかげで中国のインフラは日本や先進国と違って新しく、「先進的で見た目が良く鼻が高い」と誇らしげに比較した。

 しかし、この問題は中国も数十年後には直面する問題である。ネットユーザーからも、他人事ではないという指摘が多く見られた。「中国のインフラは日本とは質が違うため、問題はより深刻なはず」という冷静な意見や、「すでに我々の高速鉄道は負担になっている」という人もいたが、確かに中国の高速鉄道はほとんどの路線で赤字が続いている。

 インフラの老朽化は避けては通れない問題であり、経済が順調な時は良いが、順調でなくなった時の負担は確かに大きい。この先日本がこうした問題にどのように対処していくのか、後に同様の問題に直面する中国も注目していることだろう。ぜひとも良い解決策を見出してもらいたいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)