初招集された菅原由勢。今夏に名古屋からオランダAZへ移籍し充実したシーズンをすごしている。(C)Miguel Schincariol/saopaulofc.net

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 チャンスの数に対して得点数が見合っていない――。10月10日に行なわれたU-22日本代表とU-20サンパウロの練習試合はそんなゲームだった。

 日本のスタメンはGK谷晃生、DF渡辺剛、瀬古歩夢、古賀太陽、MF橋岡大樹、渡辺皓太、田中駿汰、川井歩、森島司、三笘薫、FW食野亮太郎の11人。

 一方、U-20サンパウロは前日にU-20グレミオとU-20ブラジル全国選手権を戦ったばかりのため、控え組中心のメンバー構成だった。

 力の差は歴然だった。そのため、立ち上がりから終始、日本のペースでゲームは進んだ。先制点は13分、初招集となった食野がDFをかわして蹴り込み、ネットを揺らす。さらに、森島、三苫、食野が次々とシュートを放ったが、枠を外れたり、GKの正面を突いたりして、追加点が奪えない。「もう1点取れた。あそこを決めないとダメ」と先制弾の食野も反省の色を隠せない。
 
 1−0で迎えた後半、日本は選手5人を交代した。食野に代えて小川航基、森島に代えて三好康児、三笘に代えて中山雄太、橋岡に代えて菅原由勢、川井に代えて杉岡大暉を投入。さらに、渡辺をボランチからシャドーに上げて追加点を狙いにいく。

 スコアが動くのは早くも48分、三好のパスから杉岡が決めて2点目をゲットする。
「康児くんから来ると思っていました。今後も、あれに合わせていきたい」(杉岡)さらに、「結果にこだわりたい」と意気込む小川が再三ゴールに迫り、ネットを2度揺らしたが、いずれもオフサイドの判定で、ダメ押しゴールが奪えない。

 68分には、渡辺に代えて原輝綺、瀬古に代えて立田悠悟、古賀に代えて町田浩樹と、3バックをそっくり入れ替えて、陣容を整える。

 その後も右ウイングバックの菅原の突破からチャンスを作り、三好や渡辺がゴールを狙ったが、GKのセーブに遭った。74分に田中駿に代えて田中碧を、82分に渡辺に代えて再び森島を送り出し、選手交代を終えた日本は83分、小川がミドルシュートを放ったが、またしてもGKに防がれてしまう。だが、これで獲得したCKのこぼれ球を杉岡がボレーで突き刺し、ようやく3点目を挙げるのだ。
「チャンスをたくさん作ったのは評価できるが、最後のクオリティが足りなかった。次の試合の相手にはそんなに多くのチャンスを作らせてもらえない。クオリティを上げていかなければ」

 そう振り返ったのは、横内昭展監督代行だ。次の試合の相手とは、現地時間の14日に対戦するU-22ブラジル代表のことだ。U-22ブラジル代表は今回、“小さなネイマール”と呼ばれるレアル・マドリーのロドリゴ、今夏バルセロナからゼニトに加入したマルコム、“カカ2世”とも謳われるレバークーゼンのパウリーニョといった欧州組を招集し、この世代のベストに近い顔ぶれを揃えているのだ。

 U-22日本代表にとっては、6月のトゥーロン国際大会の決勝で敗れたリベンジマッチとなるが、ブラジル代表のチーム力は、そのときよりも間違いなくアップしている。

「そういう相手に今の自分たちの現在地がどれくらいなのか測りたい」

 横内監督代行はそう言った。果たして、ホームで戦うベストメンバーのブラジルに一泡吹かせることはできるだろうか。横内監督代行は、どのメンバーをスタメンに選ぶだろうか。東京五輪を占ううえで、大きな試金石の一戦となる。

取材・文●飯尾篤史(スポーツライター)