Google Stadia、「負のレイテンシ」により遅延を克服?プレイヤーの入力を予測して反応速度アップか
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GoogleのストリーミングゲームサービスStadiaは今年11月から、日本を含まない世界14カ国からサービス開始が予告されています。そしてストリーミングゲームとは「サーバー側でゲームを駆動し、その画面をスマホやタブレットなど末端のデバイスに配信する」しくみのため、一般にプレイヤーの操作がゲームに反映されるまでの遅延が懸念される傾向があります。

こうした遅延問題につき、Stadia担当幹部がプレイヤーの入力予測など「負のレイテンシ(遅延)」という概念により解決すると述べたことが報じられています。海外ゲーム雑誌Edgeのインタビューにて、Stadiaのエンジニアリング担当副社長Madj Bakar氏は遅延が最もユーザーにとって気がかりであることに同意。その上でさらなる改善を目指しており「最終的には、どれほどローカルマシン(非ストリーミングの従来型ゲーム専用ハード)が強力であろうと、1〜2年後にはクラウドゲームがより速く処理され、レスポンスが向上すると考えている」と述べています。

では、どうやって遅延を解消するのか。Bakar氏いわく、そのために「負のレイテンシ」を用いるとのこと。これはStadiaがプレイヤーとサーバー間の予測しうる遅延をバッファとして設計に織り込み、それを様々な手段を用いて削減していく概念とされています。

この「負のレイテンシ」においては、超高速のフレームレート(fps/1秒当たりのコマ数)でゲームを駆動してプレイヤーの入力に素早く対応したり、あるいはプレーヤーのボタンの押下を予測といった手法を使う。それによりゲームの反応速度を高め、30fpsの画面表示速度でワイヤレスコントローラーを繋いでいるゲーム専用機を上回る可能性があると説明されています。

高フレームレートにより遅延を減らすアプローチは、斬新な考え方と思われます。そして機械学習によりプレイヤーの行動を予測して遅延を最小限に抑える手法は、マイクロソフトのProject xCloudにも採用されるとの噂が伝えられていました。

海外でのGoogle Stadia正式サービス開始まで、あと1ヶ月。日本で利用可能となるのはしばらく先になりそうですが、Googleの技術力がストリーミングゲームの宿命であるレイテンシをどのように克服するのか、技術的な観点からも見守りたいところです。