帝国データバンクは10月8日、「国内の景気指標」に関する調査結果を発表した。調査は100業界197分野の業界動向について、最新の2019年度における業界・分野の展望を"天気"として予測。展望をまとめた。

2019年度の業界展望は、市場が成長傾向にある「晴天」が84分野で、前年度比3分野減。停滞か好転の兆しが見える「曇り」が72分野で、縮小傾向にある「雨天」が41分野と予想された。

天気の改善・悪化状況は「改善」が9分野で前年度比18分野減、「悪化」が14分野で4分野減と予測。3年ぶりに「悪化」が「改善」を上回る見込みだ。また、集計比較が可能な1999年度以降で「改善」分野は最も少なくなる。

総合商社業界「海外リスク、国内景気の減速見込みで、業績は横ばいか微増予想」


天気図の改善・悪化を指数化したTDB業況インデックス(DI)は、2019年度予想は48.7で、2019年2月時点(49.0)から0.3ポイント低下を予測している。判断基準の50を割り込んだ。

業況改善が見込まれる主な業界・分野の展望を見ると、「晴れ」と予想された「ソフトウェア業界」はFintech需要やRPAなど業務効率化需要や、5Gなど次世代技術開発といったIT投資が続くと見られている。

企業成績が堅調に推移する「薄日」と予想された業界は、「通信(インターネットサービス)」、「旅客輸送(鉄道)」「総合商社」。「通信業界」は、動画・音楽配信サービスなど固定系ブロードバンドの追い風やネット接続サービス拡大に期待が寄せられている。

「旅客輸送業界」は、観光資源を生かした旅行商品の提供などで、各社増収傾向となる見通しだ。首都圏鉄道網では、相鉄・JR直通線の開業などにより利便性向上に向けた投資が活発になっている。

「総合商社業界」は、不安要素として、資源高の一服感や米中貿易摩擦の激化などの海外リスク、国内景気の減速見込みで、業績は横ばいか微増の予想だ。

「証券業界」も米中貿易摩擦などの影響で厳しい

「曇り」予想の業界は、「眼鏡」「工作機械」「半導体・電子部品」「家電」。「眼鏡」は花粉症対策など新たな分野で需要喚起を進め、潜在顧客発掘に向けた商品開発で市場は堅調にする見通しだ。

「工作機械業界」は、米中貿易摩擦による今後の不透明感から受注の停滞が続く。「半導体・電子部品業界」は、自動車関連市場の底堅い受注環境は継続するがスマートフォン関連需要の停滞などで流動的な状況となっている。

「家電」は、ルームエアコンが長梅雨の影響で前年度から反動減予想。東京五輪などを前に映像機器需要拡大が見込まれる。ただし、消費税増税後の個人鈍化が懸念されている。

「雨」予想は、「外食(居酒屋チェーン・ビアレストラン)」「証券」だった。「外食(居酒屋チェーン・ビアレストラン)業界」は、好調な季節メニューの導入などによる客単価増加がみられるが、依然客単価の低迷が続く。アルバイト時給の上昇や原材料の高騰などが利益を圧迫しており、厳しい状況が続く。

「証券業界」は、国内株式市場は?中貿易摩擦の激化や海外リスクなどで減収減益?込み。販売チャネルの多様化や店舗の統廃合など、伝統的な証券ビジネスからの転換が急務としている。