選手起用が奏功した森保監督。大勝にも気を引き締めていた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[カタール・ワールドカップ・アジア2次予選]日本 6-0 モンゴル/10月10日/埼玉スタジアム2002

 連勝を狙ってアジア2次予選のモンゴル戦に臨んだ日本代表の森保一監督は、9月のミャンマー戦に続き、4-4-2を採用。その試合から3か所を変更し、大迫勇也の故障欠場で注目された前線に永井謙佑、右サイドアタッカーに伊東純也、柴崎岳とコンビを組む2セントラルMFの一角に遠藤航を起用した。

 そして、その采配がずばり的中する。永井と遠藤がゴールを決めれば、伊東は3アシストと躍動。それぞれ6-0の大勝に大きく貢献した。

 試合後、森保監督はその圧勝劇を次のように振り返った。

「選手たちには、攻守ともに賢く、集中力を持ってハードワークをしようと伝えていました。油断や隙を見せずに戦い抜いてくれたことが結果に繋がり、良かったと思います。対戦相手がどこであれ、自分たちのできることをやろう、ワールドカップに向けて、個としてもチームとしても経験値を積み上げていこうと言っていて、それを選手たちが実践してくれました」

 これまでレギュラーだった堂安律ではなく、伊東を右サイドに置いた策については、こう説明した。

「選手起用に関しては、この試合に限ったことではないですが、戦術的な側面とコンディションの部分、試合に勝つためにどうするか、このゲームでチームとして何を試すか、といったことを総合的に判断して決めました」

 詳細には言及しなかったものの、モンゴル代表のミヒャエル・ワイス監督が「日本の右サイドの攻撃は速くて、まったく食い止められなかった」と語った通り、スピードに乗った縦への突破が持ち味の伊東は、序盤からエンジン全開で敵陣を攻略。サイドのケアにDFがつり出され、中央のスペースが空くという効果ももたらした。

 見事に期待に応えたスピードスターについて指揮官は、「彼はいまチャンピオンズ・リーグでもプレーしています。そういった高いレベルで戦っているという自信を、今日のプレーで出しくれたと思います」と称えた。
 
 また、9月シリーズで評価を上げた橋本拳人を外し、シュツットガルトでまったく出場機会のない遠藤を先発に抜擢した点についても、「まず目の前に試合に勝つこと、そしてワールドカップに向けて、チームとしてどう強化していくかを考えて入れ替えた」と言うに留めた。

 その遠藤は、CK時のターゲットとして再三惜しい場面を作り出し、56分にはヘッドで合わせて5点目を叩き出した。森保監督曰く、これはとくに用意していたものではなく、「何度もコーナーキックがあるなかで、選手たちが相手のウイークポイントとこちらのストロングポイントを判断してやってくれた」と明かした。

 もちろん大勝に浮かれる様子は一切なく、いつものように冷静に取材に応じた指揮官。「喜ぶのは今日で終わり。万全の状態で臨みたいと思います」と、5日後のタジキスタン戦に向けて、気を引き締めていた。
    
取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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