第40回記念国際・全日本マスターズ陸上競技選手権大会(日本マスターズ陸上競技連合主催、群馬県前橋市)の表彰式が、敬老の日の9月15日に行われた。
今大会は海外選手を含む2231人がエントリーしており、男子29種目、女子26種目が行われた。群馬での開催は初めて。
1980年に和歌山県で始まった全日本マスターズ陸上選手権大会は今回で40回目を迎え、この日の表彰式では、40回すべてに出場した鴻池清司会長のほか、学生時代からやり投げの選手として活躍した福岡マスターズ陸上競技連盟の中村忠紀理事などあわせて、5名が特別表彰を受けた。さらに、30回連続出場の選手20名も同様に表彰された。また、30回夫婦連続出場も、山口県から参加した須田雅昭さん、須田郁子さんご夫婦ほかあわせて2組が表彰された。
年間最多大会出場選手は昨年に引き続き、35大会出場の船引規正さん(61)=兵庫=。また、5年連続出場選手は計104名に。それぞれ賞状が贈られた。

連合表彰式でもっとも注目されるのは、大会の最高齢出場者だ。本大会、男子では、宮崎県の肥田一郎さん(99)、女子では、中国・香港のCheung Suet Ling さん(95)が表彰された。それぞれにお話を伺った。
肥田一郎さんはこれまでハンマー投げで大会記録を持っている宮崎県都城市在住の99歳。
「もうすぐ100歳になる。来年の1月が誕生日で東京オリンピックの年。この表彰と大会への参加が、いい思い出になると思います。先日、市長さん自らが自宅に訪問してくれました。誕生日まで、あと3か月ありますが、65歳から参加しているマスターズ陸上が生きがいです。今日は砲丸投げの競技に出場できたことに感謝しています。」と微笑んでいた。
Cheung Suet Ling さんは中国・香港の95歳。全日本大会には初出場。かつて、2016年の台湾マスターズ陸上選手権大会には参加したことがあり、マスターズ陸上としては2度目の参加となる。
参加種目は60メートルとやり投げ=JavelinThrow。やり投げでは4メートル46という大会新記録を更新した。100メートルもエントリーはしていたが、体調を考えて棄権した。チェンさんは競技以外、車いすで移動している。それも、娘さんの母への体の気遣いだ。理由を伺うと、「母は健康ですが、体調を考えて、できるだけ歩かないようにしています。」という。今回、参加の理由を聞くと「仲間が多いこと」。チェンさんは香港内にリンという著名なコーチのもと、200名を超える練習チームに母娘で参加しているという。そのメンバーから日本の大会は楽しいという評判を聞いた。本大会には香港からは60数名の団体でやってきた。娘さんはこれまで韓国、台湾、中国など様々な国に行っている。マスターズ陸上への参加は競技の参加プラス旅行でもあるという話もしてくれた。
どうやら、記録というよりも、お友達や母娘の交流を深め、旅行として楽しむのが目的のようだ。マスターズ陸上に限らず競技出場は、競技出場だけでなく、旅行ととらえ、開催地の食や観光資源を楽しむことも魅力のひとつ。

長寿国を誇る日本。現在、世界最高齢者は福岡市在住の116歳の女性だし、平均寿命は香港の女性が世界一となっている。アジアの中の日本と香港の長寿がいずれも世界をまたにかけて享受している姿は私たちに元気を与えている。

記録については…
第40回記念国際・全日本マスターズ陸上競技選手権大会 結果
http://gold.jaic.org/gunma/menu/results/r_19/r190913/kyougi.html

お問い合わせは…
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(Written&Photo:佐藤正子)