2019年のノーベル化学賞に決まった旭化成の吉野彰・名誉フェローは大阪出身で、京都大を出て大阪大で博士号をとり、旭化成に入社した。吉野氏の恩師に当たる山邊時雄京大名誉教授が面白いことを言っていた。

「彼は工学部の石油化学科の学生だった。電気化学の世界で育ったのではない。素人なんだ」

2016年ノーベル生理・医学賞の大隈良典氏も愛読

科学の道に進むきっかけが、また面白い。小学3、4年の担任が化学出身の先生で、イギリスの科学者ファラデーの「ロウソクの科学」という本を勧められたことだという。2016年ノーベル生理・医学賞を受賞した大隈良典氏も同じ本を挙げていた。けさ10日(2019年10月)には各書店では売り切れていて、岩波書店は急きょ増刷を決めた。

科学ジャーナリストの寺門和夫さんは、企業の研究者が地道に開発した点に注目した。企業研究者では、02年の田中耕一さん(島津製作所)以来だ。「難しい時代になっていますが、これをやらせないと先が伸びない」

下川美奈(日本テレビ報道局デスク)「時代が求めている受賞だったと感じます」