クレーンで慎重に運ばれる被爆壁=2019年10月3日午後、広島市中区、上田幸一撮影

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 広島の爆心地から5キロ圏内に85件残る「被爆建物」の一つ、「広島アンデルセン」(広島市中区)の建て替え工事で、被爆した壁を建設中の新店舗に取り付ける様子が報道陣に公開された。

 新店舗は来年8月オープン予定。

 建物を所有するパン製造販売大手のアンデルセングループ(広島市)によると、取り付けられたのは昨年10月に切り出した旧建物東側にあった壁のうち、今後も外壁として使用が可能と判断した50平方メートル。この日午後1時すぎ、大型のクレーン車が壁をつり上げ、約30分かけて設置予定場所に定着させた。

 爆心地の東約360メートルにあり、米国による原爆投下当時は帝国銀行広島支店だった。1967年に同グループが買い取り、増改築をしながら使用してきたが、耐震性に問題があるとの判断から16年に営業を休止した。清川秀樹・執行役員広報室長は「元の建物と、愛し育ててくださった広島の皆さんに感謝し、歴史の重みを感じながら使っていきたい」と語った。(宮崎園子)