日本代表に1年ぶり復帰を果たしたFW浅野拓磨(パルチザン)

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 日本代表に合流するのは森保ジャパンが発足した昨年9月以来約1年ぶり。あれから2度の負傷辞退を経て、恩師の森保一監督に再び招集されたFW浅野拓磨(パルチザン)は「久しぶりすぎて変な緊張がある」と清々しい表情で語り、10日に控えるカタールW杯アジア2次予選モンゴル戦へ意気込んだ。

 本来であれば、新体制のコアメンバーを担っているはずだった。昨年夏のロシアW杯で無念の落選を喫し、再起を期して臨んだ新体制。昨年9月の1試合で途中出場した後、翌10月の2試合のメンバー入りも果たしたが、直前のリーグ戦で左太ももを痛めたことで合流することができなかった。

 さらに不運は続いた。今年1月、森保ジャパンにとって初のビッグタイトルとなったアジア杯でも23人枠に入っていたものの、同じく筋肉系の負傷が再発。その後は所属先で出番を失ったこともあって再招集の機会は訪れず、チャンスを逃し続けたままA代表から離れて1年間が経っていた。

 そうして迎えた1年越しの合流。エースのFW大迫勇也(ブレーメン)こそ離脱中だが、これまでのコアメンバーが集結したA代表に初めて参加した。「メンバーはめっちゃ変わっているし、生き残りをかけて刺激を受けつつ頑張っていきたい」。夢のW杯はまだ3年後、エースの代役を見つけられない森保ジャパンに心強い戦力が加わった。

 長いブランクを経てきたが、森保監督はプロ生活をスタートしたサンフレッチェ広島時代の恩師。「森保さんが僕に求めるものは把握済み。求められることを理解して、ピッチに出たら100%出すだけ。自分の特長を活かして得点に絡むプレーをしたい」とやるべきことに迷いはない。

 また大迫の代役というレッテルにも「大迫さんと同じプレーをしろと言われても無理なので自分の良いところを存分に出したい」と過度な気負いはなく、あくまでも“結果”で穴を埋めていくつもり。「やるべきプレーがあると思うし、求められるものを100%やるだけ」と強調していた。

 自身が不在の間、森保ジャパンは17試合を実施。「攻撃になった時に創造性と自由が活きるチーム」と見ていたといい、「個人で打開するにあたって一人一人の判断が求められる」と指摘。指揮官の「チームコンセプトの中で個人の特長を出す」という要求を浅野らしい姿勢で表現していく構えだ。

(取材・文 竹内達也)