最近、某企業の執行役員が呟いた「子どもが3人いて、3週間くらい妻が海外行ってたけど、1日の家事時間トータルで1時間くらいだったけどw。12歳未満の子どもがいる女性の家事が平日1日8時間って何やってるの?キャラ弁でも作ってるの?」といった内容のツイートが大炎上していた。

 

ほうほうほう…100歩、いや1万歩譲って、掃除・洗濯などはハイテク家電にすべてお任せし、食事は外食か買ってきた惣菜などにして、お弁当作りは冷凍食品オンリーとご飯詰め込んで終了!にすれば、もしかしたら、できるかもしれない。

 

けれども、それだけじゃ家は、生活は、到底まわらない。だって、炊事・洗濯・掃除といった「王道の家事」だけが家事ではないから。むしろ、それ以外の細々した家事こそが、生活をスムーズに送るための影の立役者だ。つまり、最近話題の「名もなき家事」である。

 

日常の中に無数に存在する「名もなき家事」に日の目を当てることで、日々粛々とそれらの家事をこなしている主婦(主夫)たちに感謝の意を表したのが『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(梅田悟司・著/サンマーク出版・刊)である。

 

 

きっかけは、4か月半の育児休暇をとったこと

梅田氏は、売れっ子コピーライター。ジョージアの「世界は誰かの仕事でできている」、ダウンワークの「バイトするならタウンワーク」など、誰しもが知っているコピーを考えたスゴイ人だ。

 

そんな梅田氏が、長男誕生時に4か月半の育児休暇をとったのだそう。そのとき、実際に手や体を動かす家事に加えて、考え、決断し、ときには根気よく待ち、耐える家事が山のようにあることに気づいた。

 

こちらは、なんと1200万PVという共感の嵐だった梅田氏のツイート。

 

 

そして生まれたのが、”当たり前のように家事をがんばっている方々への尊敬”であり、名もなき家事に名前をつけること。そして、「名もなき家事が見える化されて、『こんなにあるなら完璧なんてムリだよ』とか『こんなにあるなら、分担しないとムリだよ』といった気持ちや会話が生まれること」を願って、この本が出版されたのだそう。

 

では早速、思わず「そうそうそうそう!」と首がもげるほどうなずいた、そして「さすがコピーライター!」という秀逸なネーミングの数々をご紹介しよう。

 

タッパー神経衰弱

(C)ヤマサキミノリ 画像出典:プレスリリースより

 

意味:タッパーのフタと容器を正しく組み合わせる家事。

 

食品の保存に便利なタッパー。すべて同じタイプを揃えておけば問題ないが、便利さを追求するとさまざまな大きさのタッパーが増えていくことになる。

 

結果、「微妙にフタが合わない…」と相方探しに時間を取られることになりかねない。さらには、組み合わせは正しいはずが、長年使っていると歪みが生じ、しっかりと密閉できなかったり…。

 

我が家の場合、靴下で同じ惨劇が度々起こる。毎度洗って乾かしたらすぐにペアにしてしまえばいいのだが、少し放置しておくと一苦労。特に、全部黒っぽい旦那のビジネス用靴下、保育園指定の白いソックス(2人分)は難易度高し。

 

類似語:相方探し(洗濯カゴに残った片方の靴下を前に、もう片方がどこに行ったかあちこち探しまわる家事)

 

 

再配達門限

(C)ヤマサキミノリ 画像出典:プレスリリースより

 

意味:自分で指定した再配達時間に急かされるように帰宅する家事。

 

ネットショッピングは便利だが、タイミングがずれると荷物が受け取れないことも多々ある。そんなときは再配達依頼をするのだが、ちょっと予定が狂ったり、レジ打ちが遅い列に並んでしまったりすると、ダッシュで帰ることになる。まさに、自ら課した門限!

 

時間指定が2時間ごとに幅を設けている点も、ハラハラする。たまに指定より早く届けてくれることがあるから、本当は余裕を持って帰宅したいのだが…。

 

関連語:レジ・セレクト(どのレジに並ぶと早いか吟味する家事)

 

 

ティッシュ格差

意味:家族がなんのためらいもなく大量に使っている高級ティッシュを、さりげなく安いティッシュにすり替える家事。

 

これから冬になって風邪っぴきが家族に増えたり、春先花粉が飛散しだすと、鼻の下が真っ赤になることを防ぐために、ちょっと高級なティッシュがいい仕事をする。でも、高い。だから、ちょっとした汚れを拭いたりするくらいでは、使ってほしくない!

 

特に子どもは、躊躇なく高級ティッシュで机を拭いたりするから、用途を瞬時に見極めて、正しいティッシュの箱を手渡すテクニックが必要。

 

 

米粒アタック

意味:茶碗にくっついたカピカピの米粒を取ろうとしたら、指と爪の間に突き刺さり、悶絶しながら皿洗いを続ける家事。

 

やっぱり、水につけておくことって大事。普段はあんなにホカホカと私たちにパワーと癒やしを与えてくれる米粒が、時間を置くことで恐るべき凶器になるとは。

 

食洗機で洗ったときも、結構な確率でカピカピ米粒が残っているので要注意。

 

 

山程存在する「名もなき家事」を楽しんで共有しよう!

正直、『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』には、本当の意味での名もなき家事はあまり載っていない、と感じる人もいるだろう。

 

たとえば、ゴミ捨て。ゴミの日に家中のゴミを集めて、ゴミ捨て場まで持っていくだけが家事じゃない。新しいゴミ袋のセッティングはもちろん、ゴミの分類を普段から徹底しておき、自治体のルールに沿った日時に捨てる。荷物が届くたびに増えるダンボールは、宛名など個人情報部分のシールを剥がし、畳んで、資源ゴミの日まで保管しておかねば。ペットボトルは、飲んだら終わりではなく、洗ってフタとパッケージを外して潰してからの、回収場所まで持っていく。これだけで、何項目になることか。

 

トイレットペーパーやテッシュ、洗剤などの補充は当たり前。洗濯だって、結構頭を使う。色が出ないか、一緒に洗って大丈夫か、この衣類にはこの洗剤、ネットに入れるものは何かを瞬時に判断しながら洗濯機に入れていく。布団を干したり、シーツを洗ったりするときは特に、限られた洗濯物干しスペースにどれだけの量の洗濯物が干せるか、もう一回洗いたいけど干しきれない、天気が良いから半日後に次の洗濯物をまわすか、でもハンガー足りなくない?など計算しながら進めているのだ。

 

独身時代に一人暮らしをしていた経験がある人なら、当たり前のものばかりかもしれない。でも、一人と家族5人じゃ、その負担は雲泥の差だ。ここに育児が加わると、その量は計り知れない。

 

だからこそ、日々頑張っているけど終わりがなくて、達成感がなくて、褒めてももらえない名もなき家事にユニークなネーミングをつけることで、なんだか自分でもクスッと笑えて、私だけじゃなかったー!と共感でき、イライラも収まるというのだから、「梅田氏ありがとう!」である。

 

リビングの机の上にそっと置いておいた本書をあなたのパートナーや子どもが手に取り、今までよりも少しだけ名もなき家事を意識してくれたなら、これ幸い。実際、トイレの本棚にそっと置いておいたところ、昨夜急に「いつもいろいろありがとう」と夫から感謝された。この本のおかげかどうか定かではないが、一瞬で日々の労力が報われた気がする…。ぜひ、あなたの、私の日々の努力が、光を浴びますように。

 

 

【書籍紹介】

やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。

著者:梅田悟志
発行:サンマーク出版

家事をしていたら、いつの間にか1日が終わっていた……。それもそのはず。家事なんて無限にあるんだから!「世界は誰かの仕事でできている。」「バイトするなら、タウンワーク。」などを生み出し、著書『「言葉にできる」は武器になる。』で有名なコピーライターが、そんな無限にある名もなき家事に名前をつけました。、累計PVが1200万を超えたTwitterの投稿「育休を取って気づいたこと」をベースに、無限にある名もなき家事を言語化し、名前をつけ、より共感を得られた70個の名もなき家事を1日の流れに沿って紹介しています。

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