日本とロシア両政府による北方領土での共同経済活動の一つである日本人向けの観光ツアーについて、外務省は7日、50人規模で9〜16日に試験的に行われる、と発表した。

 日本政府としては、こうした活動を通じてロシアとの信頼醸成を図り、北方領土の交渉を後押ししたい考えだ。

 同省によると、一般客と政府関係者ら約50人が参加し、料金は1人あたり約34万円。北海道東部で元島民らと交流した後、11日に船で国後島を訪問し、14、15両日は択捉島に滞在する。ツアーは観光庁が公募で決めた旅行会社が主催する。

 ツアーは、6月の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の際の日ロ首脳会談で、安倍晋三首相とプーチン大統領の間で今秋実施で合意していた。元島民が墓参のため島を訪れる際などの「ビザなし渡航」と同じ枠組みで試験的に行われる。本格実施に向けては、北方領土内で違法行為があった場合にどう取り締まるかなどについて、両国の法的な立場を害さない「特別な制度」が必要となるが、今のところ定まっていない。

 茂木敏充外相は4日の記者会見で、「両国間の交流がさらに深まり、信頼関係が醸成されることは我が国にとって領土問題を解決し、平和条約を締結していくという基本方針に沿ったものだ」と語った。(楢崎貴司)