警視庁碑文谷署から送検される船戸雄大被告=東京都目黒区(松本健吾撮影)

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 東京都目黒区で昨年3月、船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=を虐待して死なせたとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた父親の雄大被告(34)の裁判員裁判の論告求刑公判が7日、東京地裁(守下実裁判長)で開かれた。

 検察側は「被害者をいじめ抜き、要保護状態になっても放置した、この上なく悪質な犯行」として懲役18年を求刑。弁護側は懲役9年が相当と主張し、結審した。判決は15日。

 検察側は論告で、結愛ちゃんの食事を制限したほか日常的にベランダに立たせたり暴行したりする過酷な虐待を加え、心臓が止まるまで放置したと指摘。結愛ちゃんが痩せすぎていることを認識しながら、自己保身で医療措置を受けさせなかったと非難した。

 雄大被告は暴力の理由を「しつけがうまくいかず怒りが増した」としているが、検察側は「しつけを完全に逸脱し、欲求が満たされない不満で暴行した。論外で正当化できない」と指弾。結愛ちゃんの遺体には170以上の傷があったが、雄大被告は詳細を語っておらず「極めて不合理な弁解に終始し、真剣に向き合っていない」と述べた。

 弁護側は、結愛ちゃんの生存を確保するための医療措置が必要だと雄大被告が認識したのは死亡前日で、虐待は「父親であろうとする気持ちがあったため」と主張。「被告の責任は重いが、不保護の期間や態様が最も重い部類だとはいえない」とし「冷静な判断を」と訴えた。

 雄大被告は最終意見陳述で、ハンカチで口元を抑えながら涙を流し「本当に、本当に申し訳ありませんでした」と声を絞り出した。

 母親の優里被告(27)は9月17日、同罪で懲役8年の判決を受け、控訴中。2人は事件後に離婚した。

 起訴状などによると、雄大被告は昨年1月下旬ごろから結愛ちゃんに十分な食事を与えず、シャワーで冷水をかけて顔面を複数回、殴るなど暴行。衰弱していたことを認識しながら、虐待の発覚を恐れて医師の診察を受けさせず、3月2日、肺炎による敗血症で死亡させたなどとしている。