恥ずかしがらずに「国の支援」を受けて生きていく方法 「いざというとき」を切り抜けるために

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消費税増税に加えて、目減りしていく年金。国は「自助努力」を強調するばかり。しかし、教えてくれないだけで、いざというとき受けられる支援は無数に存在する。

新しい制度が続々出てきた

来月10月1日からスタートする年金生活者支援給付金はご存じだろうか。給付金の対象となる人には9月中に、日本年金機構から緑色の封書で手続きの書類が届くはずだ。

前年の年金とその他の所得の合計が87万9300円以下だった場合に、年最大6万円が年金の支給額に上乗せされるようになる。

国の制度は目まぐるしく変化している。知っている人だけがその恩恵を享受している。ページ末の表に掲げたのは43項目。申請するだけで受けられる支援はこれだけある。ここでは「知っている側」になるための知恵を伝授しよう。

'17年8月より、それまで年金受給資格のなかった人が、年金をもらえるようになっている。

「老齢年金の受給資格期間が最低25年から10年に短縮されました。10年間の納付でも満額の4分の1程度の年金を受け取れます」(ファイナンシャルプランナー・井戸美枝氏)

10年に満たない人でも、70歳まで国民年金に任意加入することで資格期間を増やすことができる。

年金だけで暮らしていけなくなったらどうすればいいのか。まだ働く元気があるのならば、まず向かうべき先はハローワークだ。

「'17年1月より、65歳以上の人も雇用保険に加入できるようになりました。65歳以上で失業し、求職していれば、高年齢求職者給付金がもらえます」(井戸氏)

離職直前の給料の5〜8割を最大50日分、一括でもらえる。

生活費の赤字を補う程度に働きたいというのであれば、シルバー人材センターに登録するのがおすすめだ。年会費1000円程度で、マンション清掃や家事援助などの仕事を紹介してもらえる。

「シルバー人材センターの仕事で得た報酬は雑所得扱いとなり、65万円を所得から控除できます」(淑徳大学社会福祉学科教授・結城康博氏)

とはいえ働けるのは健康なうち。突然がんになってしまったら、おカネはどうすればいいのか。

「がんで従来通り働けなくなったと認定されれば、障害年金を受け取れます。他にもうつ病や糖尿病も受給対象になります」(前出・井戸氏)

障害年金は身体に障害を持つ人だけのものではないのだ。

支払った医療費が1年間で10万円を超えた場合に、超えた分が所得から控除され、税金が戻ってくる医療費控除は基本中の基本。しかし、控除の対象は予想以上に広い。通院にかかった交通費や整体の費用も対象になる。

「人間ドックの費用も、がんなど重大な疾病が見つかり、治療を行った場合には対象となるのです」(井戸氏)

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こうした医療制度を支える健康保険は、定年などで会社を退職すると、資格を喪失することになる。

この場合、‖狄α阿鵬弾していた健保を任意継続する国民健康保険に加入する、という選択肢があるが、どちらにせよ、保険料は全額自己負担だ。ここで、実は第三の選択肢がある。

「子どもの健康保険の扶養に入り、被扶養者となる手です。保険料がタダで済む」(前出・井戸氏)

条件は、年収が130万円(60歳以上の人は180万円)未満であること。親子であれば同居の必要はない。

自治体のサービスもチェック

介護を受けるほどではないが、物忘れが増えてきて不安だ、ということであれば、最寄りの社会福祉協議会(社協)を訪れてみよう。

「社協の日常生活自立支援事業に申し込めば、税金や公共料金等の支払いを代行してくれたり、通帳や不動産の権利証、保険証書を預かってくれたりします。料金は場所によりますが、一回1200円ほどです」(ファイナンシャルプランナー・太田差惠子氏)

いざ介護が必要になったら、介護保険サービスだけでなく、自治体独自のサービスも確認しておきたい。

「高齢者用おむつの支給サービス(文京区・月額500円など)や、お弁当を届けてくれる配食サービス(新宿区・1食500円など)、タクシー利用券を交付してくれるところもあります」(前出・結城氏)

役所に置いてある広報誌をチェックして窓口に問い合わせよう。

人生100年時代、いつ何が起こるかわからない。国の支援に頼って生きていくのは、決して恥ずかしいことではない。


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「週刊現代」2019年9月28日号より