がん外科医が教える、年齢別「注意したほうがいいがんの種類」リスト がんごとに「かかりやすい世代」がある

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いまや日本人の2人に1人がかかると言われる「がん」。もし自分や、自分の家族ががんになったら……。そんなとき心強い味方になってくれるのが、著書『がん外科医の本音』で知られる中山祐次郎医師だ。胃がん、肺がん、前立腺がん……がんにはそれぞれ「なりやすい年齢」がある。あなたの年齢で注意すべきがんは、どんながんだろうか? 中山医師が豊富なデータをもとに解説する。

統計を見るときの注意点

ここでは年齢別に日本人がどんながんにかかることが多いかのお話をしましょう。

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なお、こういったがんの統計データを見るときには、大きくわけて二つの視点があることを知っておいてください。

「(1)がん罹患」です。罹患=病気にかかることという意味で、がんにかかる人の割合をいいます。そして「(2)がん死亡」はその名の通りがんで亡くなった人の人数です。

これらは似ていますが違うものです。なぜなら、かかる人が多いがんでも、亡くなる人が多くなければがん死亡の方の数字は小さくなるためです。たとえば男性がかかる前立腺がんは、ほとんどの方が早期で発見され、亡くなる方は少ないという特徴があります。

この二つの視点はどちらも大切なので、ニュースや雑誌などを見るときにはどちらなのかを確認するようにしてください。報道や週刊誌では、目をひくために派手な数字を示すことを好みます。

特に注目すべきは、「(2)がん死亡」だと私は考えています。がんにかかることそれ自体は大事件なのですが、しかし死亡しないがんなのであれば、まだマシだからです。その上で、まず「(1)がん罹患」について見てみましょう。

がんには「好発年齢」がある

これは全年代です。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より引用
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かかる人数が多い順に示しています。

次に、世代別のかかるがんについて見てみます。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より引用
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表をご覧いただくと、男性では、40歳以上で胃や大腸、肝臓がんにかかる人が多いのですが、年齢が上がるに連れ減っていき、代わりに前立腺がんと肺がんの割合が増えています。

女性では、40歳代では乳がん、子宮がん、卵巣がんにかかる人が多い一方で、高齢になるほど減っていくことがわかります。

このように、がんは種類によってかかりやすい世代があるのです。できやすい世代のことを「好発年齢」といいます。

自分の年齢に多いがんは?

次に、「(2)がん死亡」を見てみましょう。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より引用
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二つの表を比べると、いくつか順位が入れ替わっているものがあります。たとえば男性の肺がんは死亡数の一位ですが、罹患数は二位です。これは、肺がんは比較的タチが悪いことを示しています。

また、女性の乳がんは罹患数が一位ですが、死亡数になると五位になります。これはつまり、「かかる人は多いが、それで命が奪われる人はかかる人の数ほど多くない」ということを意味します。

そして次に、年齢別の死亡数を見てみましょう。

出典:国立がんセンターがん対策情報センター「がん登録・統計」
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これは、男性と女性で各世代別にどんながんで亡くなることが多いかを示しています。ぜひご自身の年齢のところを見てください。世代ごとに微妙に違っているのがわかると思います。

たとえば男性は40歳代くらいの若いうちは肺がんは少なく、その他のがんが多いのですが、年齢が上がるに連れ肺がんの割合が増えてきます。胃がんはずっとほぼ一定です。

一方で女性はもっとも目立つのが40歳代の乳がんと子宮がんですが、これは年齢が上がるに連れどんどん減ってきます。代わりに増えるのが、胃がんや大腸がん、膵がんです。

年齢別にどのようながんにかかりやすく、どのようながんで亡くなる方が多いか、統計から見えてくることがあるのです。