家電量販大手ビックカメラと楽天の合弁会社が運営するインターネット通販サイト「楽天ビック」が、政府が消費税増税に伴い中小企業を対象に始めたキャッシュレス決済のポイント還元制度への参加を、8日正午で辞退することが分かった。「制度の趣旨を鑑み辞退する」としている。「実際は大企業なのに、中小企業支援制度の恩恵を受けようとしている」などと批判の声が出ていた。

 ポイント還元は増税後の消費喚起が目的。来年6月まで、国に登録した店でキャッシュレス決済をすると、中小企業店は購入額の5%が還元される。還元分は政府が公金で賄うほか、加盟店がキャッシュレス決済事業者に支払う手数料や、決済事業者の事務経費の補助金も交付される。

 経済産業省によると、登録は同省が決済事業者の申請を受けて審査する。対象は小売業の場合、資本金5千万円以下か常時使用する従業員数が50人以下であることなどが条件とされている。

 楽天ビックを出店する合弁会社「ビックカメラ楽天」(東京)は資本金、従業員数とも公表していない。商業登記簿によると資本金は1億円。今回の還元制度に参加していることに、西日本新聞「あなたの特命取材班」やネット上に「大企業同士の合弁会社が中小企業なのか」などと疑問の声が上がっていた。

 ビックカメラ広報・IR部は西日本新聞の取材に「経済産業省の審査基準にのっとって申請をし、受理された」と回答。辞退が8日になる理由は「買い物を検討している客への周知のため一定期間を設けた」としている。楽天ビックはウェブサイトに2日夜、「諸般の事情で」辞退すると発表した。

 経産省キャッシュレス推進室は「もし間違って登録されていた場合は、10月1日にさかのぼって国からの補助金は対象外となり、店舗側の負担分の補填(ほてん)もない。事実関係を調査する」としている。(坂本信博)