平畠啓史さんが能力別にNo.1 Jリーガーを選定。一体誰が選ばれたのか【写真:Getty Images】

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IQ部門

 Jリーグサポーターにはおなじみの平畠啓史さんが、各能力部門の中で最も優れたJリーガーを選定。「能力別No.1プレーヤー」には、一体誰が選ばれるのだろうか。今回は後編。(選定:平畠啓史、取材・文・構成:小澤祐作)

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MF:齊藤未月(さいとう・みつき/湘南ベルマーレ)
生年月日:1999年1月10日(20歳)
今季リーグ戦成績:22試合出場/1得点1アシスト

 誰になるんだろうな…。でも色々な意味で、まだ若いですけど齊藤未月選手かなと思います。もちろん喋っていても本当に賢そうな感じで話しますけど、やっぱりしっかりしている。頭だけではなくてフィジカルでもすごい攻守両面で働ける人ですけど、たぶん賢いやろうなっていう気はプレー見ていてもします。

 U-20の試合なんかで負けた時もけっこう、どうしても日本の若い世代に限らずですけどああいうところで負けると少し感情的に、泣きそうな感じで喋る人多いですけど、この人はやっぱり冷静にその状況を分析して喋ってたし、そこはキャプテンシーというか。こういう人がチームにおると、やっぱりすごいしっかりするなと。あとやっぱり海外志向もあるみたいですし、この人が海外でやって実力つけ出したらどんな選手になっていくんやろうなっていうのはすごい楽しみですね。

 あと、やっぱり試合をテレビで見てたらどこかに必ず映ってるでしょ。だからもうボールの行く先がある程度、わかっている。潰す時のボールに寄って行くスピードとかもやっぱりある程度相手が読めてないと、それは行けない。ただ、足が速いから寄せられるという問題でもないので。その辺はたぶんすごい賢いんじゃないかなと思います。対人とかの強さというか、寄せの激しさ、強さみたいなのは(エンゴロ・)カンテが好きなんやなっていうのも、わからなくはないですけどね。

空中戦部門

DF:進藤亮佑(しんどう・りょうすけ/北海道コンサドーレ札幌)
生年月日:1996年6月7日(22歳)
今季リーグ戦成績:26試合出場/6得点2アシスト

 空中戦…最近は数字とかも出ているので、数字で見たらわかるんでしょうけど、僕は札幌の進藤選手とか。けっこうゴールも決めるし、攻撃の時のヘディングとかでも、そんなにめちゃくちゃでかいわけでもないですけど、競り勝っているイメージがすごいありますね。どうしても福森(晃斗)選手の左足の方に注目がいきがちですけど、僕は進藤選手のすごさみたいなのを札幌では買っているというか、もう少しフューチャーされてもいいんじゃないかなと思ってますね。空間認知みたいなのもすごいと思いますし、あとは勇気ですかね。そこに飛び込む、行く勇気みたいなのが、彼にはあるんじゃないかなという気はしますね。

 ただ、代表に選ばれるかどうかというのは話が別で、ようはミシャさん(ミハイロ・ペトロビッチ監督)がやっている3バックシステムのセンターバックの人って、4バックとかなったときにどれくらいできるのかっていうのは、僕はわからないです。やっぱり特殊なので、進藤選手のやっているプレーを、じゃあ鹿島のセンターバックとしてできるかどうかって言われたら、僕はちょっと別かなと。だからわからないです。無理とは言わないですけど、わからないです。

メンタル部門

MF:三竿健斗(みさお・けんと/鹿島アントラーズ)
生年月日:1996年4月16日(23歳)
今季リーグ戦成績:25試合出場/0得点0アシスト

 三竿選手いいんちゃうかなと思いますけどね。プレーぶりとか見ていても、強いですね。なんか伝わってくるというか、本当にチームが勝つために、色々なことがやり切れる。もちろんパスとか東京ヴェルディのユースなので上手いですけど、相手にプレッシャーをかけに行く時なんかの強さ。あのチームで小笠原(満男)さんとか見て育っている部分もあるでしょうけど、あのチームであのポジションで中心でやれている感じとか、ボール取る時に行くあの感じ見ると、たぶんメンタル強いんやろうなと思います。

 もちろんコテコテにボールを動かせたりコネたりする人好きやけど、でもやっぱりああいう人がチームに必要な人ですね。サッカーやり始めた頃に、あのポジションでないところ目指す人、目立つ感じのところ行きたくなりがちな人多いですけど、実は一番(三竿のような選手が)必要。ああいう人がいるからこそ技術のある人が活躍できるのかなという気はしますけどね。僕は代表っていう意味では、三竿選手とかに行って欲しいなと思います。身体も強いですし。

フィジカル部門

FW:ドウグラス(ブラジル/清水エスパルス)
生年月日:1987年12月30日(31歳)
今季リーグ戦成績:22試合出場/10得点3アシスト

MF:稲垣祥(いながき・しょう/サンフレッチェ広島)
生年月日:1991年12月25日(27歳)
今季リーグ戦成績:17試合出場/2得点0アシスト

MF:松岡亮輔(まつおか・りょうすけ/藤枝MYFC)
生年月日:1984年10月23日(34歳)
今季リーグ戦成績:24試合出場/0得点3アシスト

 フィジカルはドウグラス選手です。ドウグラス選手はけっこうアクロバティックなことをする時もある。フィジカルというとやっぱりいかにも身体ごつくてバーンというイメージがありますけど、この人の身体能力はやっぱり僕はすごいと思いますよ。ジャンピングボレーとかオーバーヘッドとか、ちょっとスペースできてドリブルで仕掛けるときのストライドも大きくて相手が追いつかれへんみたいな感じとか。やっぱり身体能力高いですよね。

 ダイレクトボレーの時も、すっごい高いボールとかでもボレーしたりとか。オーバーヘッドとかボレー好きな人いるけども、案外ボカーンと外れることも多い。けど、この人はちゃんとゴール方向まで持っていく。そういった意味でもこれはたぶん、身体能力はすごいんじゃないですかね。

 (フィジカルをスタミナとするなら)印象ですけど、実際どれくらい走っているかわからないですけど、広島の稲垣選手。あの人はけっこうタフに働いているなと思いますね。

 あとめっちゃカテゴリー飛ぶんですけど、藤枝の松岡選手はめっちゃ働いてます(笑)。今年山形から来た選手なんですけど、めっちゃ働いてますね。この前本人にも直接言いましたけど。いま藤枝はJ3でめっちゃ調子いいんですけど(※編注:取材日の9月12日時点で藤枝はJ3リーグ2位)、僕はもっと評価されてもいいと思う。めっちゃ働いてます。今の藤枝だと前のデカモリシ(森島康仁)と大迫(希)選手とかも調子良いですし、3バックの堅さもあるんですけど、僕はもっと松岡選手を評価してほしいです。

 セカンドボールとかルーズボールとかほとんど拾ってますよ。藤枝の試合1回でも見てもらったらわかりますけど、自陣であろうが敵陣であろうがセカンドボールとかほとんど回収してます。本当に反応してますし、あとはだからといって守備ばっかしているわけではなくて足下の技術もあるので、拾ったボールを味方にもつなげますし。あんまり若くはないですけど、Jリーグ全体でも上にくるほど働いてますよ。

GK部門

GK:大迫敬介(おおさこ・けいすけ/サンフレッチェ広島)
生年月日:1999年7月28日(20歳)
今季リーグ戦成績:22試合出場/17失点

GK:チョン・ソンリョン(元韓国代表/川崎フロンターレ)
生年月日:1985年1月4日(34歳)
今季リーグ戦成績:25試合出場/24失点

 僕ちょっと楽しみなのは大迫選手ですかね。やっぱりあれだけ若くして広島でレギュラーポジションを取っている。あとはあのいい人そうな顔。絶対この人ええやつやなっていう感じのところから(シュートを)止めるという。そこのギャップがいいですね。優しそうな顔してますけどね。でもプレーとかそういうのは優しさは関係なくて。そういうところはやっぱりいいですね。もちろんボールに対する反応とかもいいですし、ゴールキーパーでいったら大迫選手が一番いいかな、というか楽しみですね。

 あとは、ちょっと最近はフロンターレ点を取られてますけど、やっぱりチョン・ソンリョン選手。というのはなんでかって言うと、バルセロナとかもそうなんですけど、ボール持つチームのキーパーって難しいんですよ。それはやっぱり足下の技術どうこうとかそういうものではなくて、ボールを回すってことはそれなりに人数かけるってことじゃないですか。ということは、やられる時って絶対カウンターとか大ピンチになることが多いんですよ。

 バルセロナとかも、今は少し違うかもしれないですけど、なんかあんまりキーパーって評価されなかったりするんです。フロンターレとかみたいにボールを持つチームはキーパーの評価がしづらいんですけど、ああいうチームであればあるほどキーパーってやっぱすごい大変だと思うので、そういう意味ではやっぱり、今年はちょっと点を取られているとはいえ、連続で優勝してて今でも上位にいるチームのGKってやっぱり本当は評価されるべきなんじゃないかなと僕は思いますね。

番外編・監督部門

トルステン・フィンク(ドイツ/ヴィッセル神戸)
生年月日:1967年10月29日(51歳)
今季リーグ戦成績:13戦/6勝3分4敗(9位)

城福浩(じょうふく・ひろし/サンフレッチェ広島)
生年月日:1961年3月21日(58歳)
今季リーグ戦成績:27戦/12勝8分7敗(6位)

長谷川健太(はせがわ・けんた/FC東京)
生年月日:1965年9月25日(54歳)
今季リーグ戦成績:27戦/16勝5分6敗(1位)

 神戸のフィンクさんはやっぱりあんな短期間であれだけタレントおるチームをある程度こう、方向付けして持っていったというのはすごいんじゃないかなと思いますね。

 あとは僕は城福さんがもっと評価されてもいいんちゃうかなと思いますけどね。今までリーグのタイトルを獲ったりしたその広島をうまく新陳代謝しながらも、順位とか勝ち点で上の方にいる。去年もたまたま終わり方悪かっただけで2位ですし、今年もやっぱりかなりメンバーは若い選手増えてきたけど、その中でちゃんと上位に持っていってるっていうのは、僕はもっと評価されてもいいんじゃないかなと思いますけどね。

 あとはもう、健太さんは文句なしです。すげぇなっていう。FC東京が優勝するかどうかはわからないですけど、やり方はハッキリしているので、今後はあれをやり続けることですね。今までのやり方を。あそこから急にやり方を変えるとは思わないですし、(優勝のためには)続けるしかないと思います。

text by 小澤祐作