昭和22年、9歳の川原喜美子(川島夕空)は、父の常治(北村一輝)が大阪で事業を失敗したため、母のマツ(富田靖子)、二人の妹ととともに、一家で滋賀・信楽にやってきた。軍隊で常治の部下で、信楽で雑貨店を営んでいる大野忠信(マギー)が、何かと面倒を見てくれていた。

喜美子は転入した小学校に向かう途中、野生のタヌキに出くわす。後をつけていくと、地面の土を夢中になって掘り返す男(村上ショージ)がいた。男は陶芸家の慶乃川(よしのがわ)と名乗り、焼き物を作る土を集めているという。喜美子は土が売り物になると知り、驚き興味を持った。

同級生に比べて読み書きができない自分に愕然

喜美子が通い始めた信楽山小学校には、同じクラスに大野の息子、大野信作(中村謙心)や信楽一の窯元である丸熊陶業の一人娘・熊谷照子(横溝菜帆)がいた。照子は優等生だが、心を許せる友達がいなかった。引っ越し早々、ガキ大将とケンカをして大立ち回りを演じた喜美子に興味を持ったらしく、話しかけいてきた。「お友達になってあげる」

でも、喜美子はそっけない。「忙しさかい、友達おっても、遊ばれへん。いらんわ」

妹たちの世話や体の弱い母親の手伝いで、たしかに多忙だった。さらに、転校してきて、大きなショックを受けたこともあった。同級生に比べると、自分の学力がとても劣っていたのだ。喜美子は読み書きが満足にできなかった。(NHK総合あさ8時)