──スマホを使い始めることで、感情面でやっかいなことはありませんか? SNSなど。

鈴木 ありますね、「いいね!」してもらえなかったとか、悪口を書かれたとか。でも、それは大人も同じで、感じ方は人それぞれなんですよね。リア充演出に必死な時期ってたいていあるんですけど、高3くらいから「SNS映えのために出かけるのカッコ悪い」みないなこと言い始めますよ(笑)。

──本書にはデータも満載ですが、意外とTwitterって若い子に使われているんですね。

鈴木 Twitterも知り合い同士でつながっている感じなんですよ、LINEやInstagramとは使い分けて。有名人のオフィシャルな情報源もTwitterというのが多いです。ただ、危険な目に遭遇する危険性が最も高いのもTwitterなんですよね。大人が考えている以上に、結構、実際に会っちゃっているんで。

──出会い系ですか?

鈴木 出会い発端ではなく、好きなアーティストのライブのチケットを手渡ししますとか、そういう誘いに乗ってしまうんですよ。なので、どんな理由でも「知らない人とは絶対に会わない」という教えは徹底して叩き込んでいただきたいです。

──絶対に課金はしないというのもありました。

鈴木 まぁ、財布は親が握っているので。高校生になるとバイト代でLINEのプリペイドカードを購入し、自分でスタンプを買ったりしていますよ。

──モバイル決済は、意外なほど浸透していないんですね。

鈴木 親がそもそも理解できてませんからね。ただ、Suicaはプリペイドでわかりやすいので結構使われています。それと、メルカリの利用率は異様に高いですね。

──私、「ステメ」という言葉は初めて知りました。

鈴木 LINEのステータスメッセージですね。



──私、設定してないな......。

鈴木 ここで喧嘩したりするんですよ(笑)。

──え?

鈴木 エアリプみたいな感じで。直接の喧嘩じゃないけど、言いたいこと書くみたいな。

──更新されたって、わかるんですか?

鈴木 アイコンにバッジが付きます。これを見つけて、確認しているんです。

──バッジなんて見たことないです、私の知人はほとんど更新してないんですね......。世代かしら。


▲私の知人のステメ(勝手に晒しますが......)。そもそも書いてない人がほとんどでしたが、他愛ないひと言かアクターかポエマーかドリーマーでやんなっちゃう

鈴木 ステメだから、誰か特定の人に向けた発信じゃないってことになるんですが、すぐそれに反応して誰かのステメが更新されたりと、まさにエアリプです。

──ある意味、使いこなしていますよね。

子供のスマホの世界って、ほとんどの子にとって学校世界の延長なんです。何かしらのSNSの機能を通して、大人から見れば少数ではありますが、常に同じ学校の人達とつながっている。それこそ朝起きてから寝るまでずーっと。同じスマートフォンを使っていても、大人である私達とはまったく違う世界が見えているのです。

これから子どもにスマホを持たせようと考えているお母さんや、スマホを買い与えたはいいけれど心配事が尽きないというお父さんに、鈴木朋子さんの著書「親が知らない子どものスマホ」は大いに役立つと思います。まずは実情を知ることですしね。

「親が知らない子どものスマホ」内容(抜粋)

うちの子、いつもスマホいじってばっかりだけど一体何してるの......?

Twitterで出会い、LINEで恋と友情を育み、Instgramでお気に入りを探す... 勉強からいじめまで、「画面」の中で生きるイマドキの10代。その実情は親世代とは全く異なります。その実態を知って理解を深めることが安心・安全を手に入れる第一歩です。

ITライターであり、自らも2人の子どもの親である著者が若者たちのSNS、ネット実情と、親として知っておくべき知識・注意点を丁寧に解説。

親として知っておきたい!イマドキ中高生の実情
・入学前にSNSでつながる中高生
・心の内はLINEの「ステメ」に書く
・今はLINEで行われる「不幸の手紙」
・「自画撮り被害」に潜むネットの闇
・Instagramが新たないじめの温床に?
・"エアドロ痴漢"にご用心!

巻末資料
・学校生活"要注意"イベントカレンダー
・10代のスマホライフを理解するための用語