小学5年生が定規を使って筆算の横線を引くよう学校で指導されていることに対し、疑問を感じるという声を紹介した西日本新聞の24日付記事が、大きな反響を呼んでいる。あなたの特命取材班には、けがで片手しか使えない状況でも定規による線引きを強いられたといった情報提供も届いた。一方、インターネット上では「成績の良かった子はちゃんと定規を使ってやっていた」「正しい展開図を書くには必要」という反論も出ている。

 「ギプスで動かない腕を使ってまで、定規の使用を求められる指導に驚いた」。福岡県内の40代女性は7年ほど前、小学生だった子どもが腕を骨折した際の状況をそう思い起こす。分数を計算するときに定規を使わずに線を引いたところ、答えは全て正解でも減点されたという。

 横浜市の50代男性は、子どもが小学3年だった1年前に「筆算だけでなく、単語と意味が一致するものを線で結ぶ社会のテストでも定規で引かないと減点された」と訴える。わずかな鉛筆のこすれを残しても減点対象。担任に理由を問うと「普段からルールで決まっている」と言い返され、対話にならなかったという。

 大阪府の小学生の親族からも「筆算で定規を使わないとゼロ点にされている」という情報が寄せられた。東京の塾経営者は逆に「暗算の力を高めるため、むしろ定規は使わないよう指導している」とつづった。

 記事は、筆算の一部の横線が手書きだったため、夏休みの宿題160問分で「書き直し」を命じられたという内容。本紙のほか、24日にネットの複数のニュースサイトでも配信された。このうちヤフーニュースでは「筆算の線をどう引いていたか」という意識調査が行われ、回答した約6千人のうち79%は手書きで、14%が定規を使用していた。

 ヤフーニュースのコメント欄でも、疑問を呈する人が多い。ある小学校教師は、子どもの学ぶ力によって定規を使うべきかどうかは異なるとした上で、学級経営を考えると一律指導も必要だが、今回は「学習の本質的な意味で必要ではない」と書き込んだ。

 これに対し、「クラスで成績が良かった子はノートがきれいで、定規や消しゴムを使ってた」「計算では必要性を感じなくとも、(練習しないと)正しい展開図が描けない」「子どもへの将来的な力の育成を理解してほしい」などと、定規使用を容認する肯定派もいた。

 前例や常識の枠組みにとらわれがちな今の社会全体への懸念も。首をかしげる組織の常識を打破しようと立ち向かえる人はそもそも少ないことに触れ、「教師だけを問題視するのではなく、私たち自身にも問題があると自覚することが肝要」と指摘する声があった。(四宮淳平)