物議を醸すタックルのあったラグビーW杯日本大会、プールDのオーストラリア対フィジー戦を裁いたベン・オキーフ主審(中央、2019年9月21日撮影)。(c)WILLIAM WEST / AFP

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【AFP=時事】21日に行われたラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)のフィジー戦で、相手に危険なタックルを見舞ったオーストラリアのリース・ホッジ(Reece Hodge)がレッドカードを提示されなかったことについて、元トップレフェリーも「わけが分からない」と審判団の判断に疑問符をつけている。

 ホッジは前半26分、フィジーのペゼリ・ヤト(Peceli Yato)の頭にショルダータックルを浴びせ、脳振とうを起こしたヤトは負傷交代を強いられた。

 退場とペナルティートライが宣告されてもおかしくない場面で、何より大会前には審判委員長が、レッドカードの乱発を招いたとしてもハイタックルには厳罰を科すと明言していたにもかかわらず、ホッジに罰則が与えられることはなかった。試合はオーストラリアが39-21で勝利したが、この時点ではフィジーが11-7でリードしていた。

 この件について、テストマッチ70試合を担当し、2013年に審判業を退いたジョナサン・カプラン(Jonathan Kaplan)氏が、英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)の自身のコラムで疑問を呈している。

「大会前、ワールドラグビー(World Rugby)は頭部への接触について明確な見解を示し、ハイタックルに対する制裁の新たな枠組みでは、何がレッドカードにあたるかをはっきりさせていたはずだ」「それを考えれば、リース・ホッジがペゼリ・ヤトへのタックルで退場にならなかったのは、まったくわけがわからない。私から見れば完璧に明らかで、ほぼ教科書通りに、ワールドラグビーが違反にしたがっている形のチャレンジだった」

 カプラン氏は、こうしたケースは「その場ではっきり特定するのが極めて難しい」ため、ベン・オキーフ(Ben O'Keeffe)主審がタックルの種類を判別できなかったのは「さほど驚きではない」と話す一方、TMO(テレビジョンマッチオフィシャル)のローワン・キット(Rowan Kitt)氏が何も行動を起こさなかったのにはびっくりしたと明かしている。

「この場面で、キットが正当なタックルと判断したことには非常に驚いている」「こうしたプレーになんらかの処分を下さず、そのまま流すのは明らかに間違った判定だ」

 多くの解説者がこの件について、ラグビー強国の選手とそれ以外の国の選手とでは審判の扱いが違う証拠だと話し、もしタックルしたのがヤトの方だったらレッドカードを出されていたはずだと主張している。

 ホッジはこの後、ワールドラグビーからの呼び出しを受ける可能性がある。

【翻訳編集】AFPBB News