画像提供:マイナビニュース

写真拡大

エレクトロニクスの最先端テクノロジーと、スタートアップのチャレンジが集まるIFA NEXT、2019年も大盛況でした。ジャパン・パビリオンの模様は先にレポートしましたが、欧州スタートアップの活きの良い動向を振り返ってみたいと思います。

○スマホで再生中の音楽に反応、激しく震えるベルト「Feelbelt」

Feelbelt(フィールベルト)は、IFAが開催される地元・ベルリンのスタートアップです。その名も「Feelbelt」と名付けられたウェアラブルデバイスは、スマートフォンとペアリングして音楽を再生すると、音楽の低域に反応してベルトがブルブルと振動します。

筆者も会場で実機を体験しました。Spotifyで「Smoke on the Water」を再生してみたところ、「低音」どころか冒頭の有名なギターのリフの間、ずっとベルトが震え続けていました。それもけっこう激しく。これは一体…、なぜこんな製品を作ろうと思ったのでしょうか? ブースのスタッフに聞いてみました。

「単純に、エンターテインメントとして映画やゲームを何倍も楽しんでもらおうという理由から開発をスタートしました。IFA NEXTで試していただいた多くの方々からは、耳の聞こえにくい方をサポートしたり、マッサージにも向いているのではないかという色んな意見をいただきました。私たちも開発の新たな方向性が見えてきたような気がしています」

Feelbeltは2019年11月からキックスターターで、取りあえず現在のスタイルでクラウドファンディングがスタートします。クラウドファンディングが成功したら、2020年に出荷を開始できるように準備を進めているそうです。

○フランス発、ワイン愛好家のためのIoTツール「MyOeno」

MyOeno(マイオエノ)はフランスのリヨンからIFA NEXTに出展したスタートアップです。ワインを注いだグラスに独自のスキャナーを浸すと、ワインに含まれるタンニンやその他の成分を光センサーで解析。アプリ連携型のツールとなっています。

読み取られたワインの成分は、スマホを経由してクラウドのデータベースサーバーに送り、マッチングした内容がアプリに表示されます。

ユーザーは飲んだワインにスコアを付けたり、お気に入りにブックマークしたりして、好きなワインをECサイトから繰り返し購入できます。また、よく似たテイストのワインを「Similar Wines」のリストから選んで、さらなる見識を広げられます。コメントを付けて同じアプリのユーザーとシェアするのも楽しそうです。

フランスでは2018年から89ユーロ(約1万円)で販売が始まっています。日本でもクラウドファンディングを通じて展開するそうです。

○植木鉢と一体になった空気清浄機「Natede」

イタリアはミラノのVITESY(ヴィテジー)は、ホンモノの植物を植えた鉢と一体化したスマート空気清浄機「Natede」を開発しました。

植木鉢と合体している理由を同社のスタッフに聞くと、「植物のオーガニックな空気清浄作用と、私たちのスマートテクノロジーの相乗効果を狙っているもの」という説明が返ってきました。

本体の上部、植木鉢になっている側から取り込まれた空気を内部のフィルターにかけて、底面のスリットから浄化された空気を排出する構造。独自のフィルターの効果によって、VOC、PM2.5、二酸化炭素、バクテリア、ウィルスを効果的にフィルタリングできるそうです。フィルターは手洗いして繰り返し使えます。

スマホアプリ「IAQ」を使うと、ファンの吸引力を、Cooking、Working、Relaxing、Sleepingの4段階から選べますす。特にRelaxingやSleepingに設定すると、運転しているのかがわからないぐらい静かにファンが回っていました。本体の正面側に近接センサーが組み込まれていて、ハンドジェスチャーで電源のオンオフが可能です。

NatedeはWi-Fi機能も搭載。GoogleアシスタントやAlexaに対応するスマートスピーカーを使って、音声操作を行うアップデートも予定しています。価格は495ユーロ(約58,000円)。けっこう高値にも思いますが、重要なパーツはすべてMade in Italyなのだとか。欧州では11月に発売を予定しています。

○楽しく安全な料理を見守ってくれるスマートセンサー「Safera」

筆者は毎年IFAを取材していますが、2019年はキッチンまわりのIoT化がまた一歩前進したように感じました。フィンランドのスタートアップ、Safera(サフェラ)が展示した「Safera Sense」は、タブレットにペアリングしてユーザーの調理をサポートしてくれるスマートキッチンデバイスです。

日本とはキッチンの構造が少し異なるため、使い方をイメージしづらい部分もありますが、天吊りタイプのレンジフードや、クッキングヒーター手前の壁などに貼り付けて使います。本体に内蔵する煙探知機によって、安全な調理を見守ったり空気の質を監視したりしながら、万一の際にはタブレットへのアラート通知やアラームを実行します。

アプリに料理のレシピをダウンロードすると、料理の手順解説や、ペースメーカーとしてのお手伝い機能などもあります。欧州では10月から発売。価格は199ユーロ(約23,000円)を予定しています。

2019年で3回目の開催を迎えたIFA NEXTは、ますます活況を呈している様子でした。展示の特徴はコンセプトだけでなく、実際に見たり触ったり、体験できるコンセプトモデルや商品化間近の製品に数多く出会えること。エレクトロニクスショーのIFA本体から独立しそうな勢いで伸び続けるIFA NEXTに、2010年以降も世界中から注目が集まるのではないでしょうか。