厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第18回:レッドルレーヴ

 1983年のGIオークス(東京・芝2400m)を制したダイナカール。同馬からつながる血筋は、日本競馬界で繁栄する代表的な血統のひとつと言える。

 そして、その血を受け継ぐ素質馬が、まもなくデビューを迎える2歳馬の中にもいる。美浦トレセンの藤沢和雄厩舎に所属するレッドルレーヴ(牝2歳/父キングカメハメハ)である。


「女傑」エアグルーヴの孫、レッドルレーヴ

 レッドルレーヴにとって、ダイナカールは曾祖母にあたる。ついで、ダイナカールの娘であり、レッドルレーヴの祖母にあたるのが、「女傑」と呼ばれたエアグルーヴである。

 エアグルーヴは、デビュー早々に評判どおりの力を発揮。すかさず3歳牝馬クラシックの主役に躍り出ると、(1996年の)オークス優勝を果たし、見事に母娘2代制覇を飾った。

 その後、エアグルーヴは古馬となってから、牡馬混合の重賞やGIに果敢に挑んでいった。今でこそ、牡馬混合の重賞戦線で牝馬が躍動することも珍しくはないが、当時は非常に稀(まれ)なことだった。

 そうした状況にあって、エアグルーヴは1997年のGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)を制覇。1番人気のバブルガムフェローとの叩き合いを制して、牝馬として17年ぶりの戴冠を遂げた。

 以降も、GIジャパンC(東京・芝2400m)やGI有馬記念(中山・芝2500m)などで、牡馬一線級と互角の勝負を演じたエアグルーヴ。その姿に、多くのファンが度肝を抜かれた。そうして、それらの実績によって、1997年には年度代表馬に輝いた。

 エアグルーヴは繁殖牝馬となってからも、優れた子どもたちを次々に送り出した。その1頭が、ディープインパクトとの配合によって生まれたラストグルーヴ。レッドルレーヴの母である。

 ラストグルーヴは、1戦1勝で現役を引退してしまったが、すでに繁殖牝馬として活躍。今年のGIII京成杯(中山・芝2000m)、GII青葉賞(東京・芝2400)と、いずれも2着と好走したランフォザローゼス(牡3歳/父キングカメハメハ)らを出している。

 このランフォザローゼスのひとつ下の妹となるレッドルレーヴ。現在はデビューに向けて調整を重ねているが、厩舎スタッフの評価はどうなのか。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「馬体重が450kg〜460埖罎離譽奪疋襯譟璽堯今は、その馬体重を減らさないように考慮して、軽めの調教が主体です。

 陣営から聞かれるのは、性格面のよさで、あるスタッフは『(レッドルレーヴは)とても従順で素直』と言っていました。牝馬にありがちなうるささがまったくなく、余計な力を使わないようです。その雰囲気から、これから強い調教を行なうことになっても、テンションが高まる心配はなさそうですね」

 性格面のよさは、「学習能力の高さ」にもつながっているという。トラックマンが続ける。

「スタッフ曰く、レッドルレーヴは『(こちらが)教えたとおりに走ってくれる』とのこと。併せ馬でのハミの取り方や、(併せる)相手を抜きにいくことも、『調教の中できちんと覚えていっている』と話していました。陣営は、もともとの素質や基礎体力にも手応えを感じているみたいですから、デビューが楽しみです」

 デビュー戦は、10月19日の2歳新馬(東京・芝2000m)を予定。鞍上はクリストフ・ルメール騎手を確保しており、盤石の体制と言えるだろう。 ダイナカール→エアグルーヴからなる、日本屈指の血筋を継ぐレッドルレーヴ。華麗なる一族から、またも新たなスターが誕生するのか。同馬の初陣の走りをしっかりと見届けたい。