自分はアンドリュー英王子に「売られた」と 死亡の米富豪を訴えた女性

写真拡大

性的人身取引で起訴され勾留されていた米富豪ジェフリー・エプスティーン被告(66)がニューヨークの拘置所内で急死した問題で、被告を訴えている女性の1人が20日放送の米NBCニュース番組で、英王室のアンドリュー王子と17歳で性行為をさせられた自分は、王子に「人身売買」されたのだと発言した。

(編集部注・ Jeffrey Epstein被告の姓は、日本語メディアで「エプスタイン」と表記されることもありますが、BBCでは当人を知る関係者たちの発音に近い「エプスティーン」と表記しています)

ヴァージニア・ジュフリー(旧姓ロバーツ)さん(35)は、ヨーク公アンドリュー王子とロンドンで初めて会った夜のことをNBCに語り、王子を「虐待」に「参加」した当事者だと述べた。

「浴室で暴行された」

ジュフリーさんは当時、ロンドンの民家で王子と一緒に写真を撮っている。8月末にニューヨークの連邦地裁で、自分は民家の浴室で王子に暴行されたと証言した。

これに対してアンドリュー王子は、ジュフリーさんとの間に「いかなる形でも性的接触や関係」はなかったと否定している。すでに英王室は、王子に対する告発内容は「虚偽で、一切の根拠を欠いている」とコメントしている。アンドリュー王子は、エリザベス女王の3人目の子供。

性的人身取引の罪で無実を主張し、公判を控えていたエプスティーン被告は8月10日朝、ニューヨーク市マンハッタン南部のメトロポリタン矯正センター(MCC)で死亡しているのを発見された。自殺が原因とされている。

被告は今年7月、未成年者の性的人身取引と共謀の罪で起訴されていた。ニューヨーク連邦地検の訴状によると、被告は2002〜2005年、ニューヨーク市マンハッタンとフロリダ州に所有する邸宅に未成年を引き入れていた。被害者の最年少は14歳で、数百ドルと引き換えに性行為を強いられていたという。

<関連記事>

アンドリュー英王子は「白状して」  米富豪疑惑で女性訴え アンドリュー英王子、拘置所で死亡の米富豪との関係を問われ 未成年の性的人身取引で起訴の米富豪、拘置所で死亡 自殺の可能性に疑問噴出 米富豪、未成年の性的搾取疑惑で起訴 トランプ大統領とも交流

被告は過去には、アンドリュー王子のほかドナルド・トランプ米大統領、ビル・クリントン元大統領など各国各界の有力者との交友関係で知られていた。

ジュフリーさんは、エプスティーン被告による被害を訴えている複数の女性の1人。被告は未成年の自分に、アンドリュー王子を初めとする複数の有力者と性交するよう命令したと証言している。

「王子様に会うのよ」と言われ

ジュフリーさんは20日放送のNBC番組「デイトライン」で、同じように被害を訴える女性5人と出演した。自分は、後に大統領になるトランプ氏所有の米フロリダ州のリゾート「マール・ア・ラーゴ」でロッカールーム係として働いていた時、エプスティーン被告の友人だったギレイン・マックスウェルさんに勧誘されたと話した。

マックスウェルさんは、イギリスでメディア王国を築いたものの、乱脈経営の実態が死後に明らかになったロバート・マックスウェル氏の娘。エプスティーン被告の事件をめぐっては、一切の不正に関わっていないと主張している。

ジュフリーさんはNBCに対して、「初めてロンドンに行ったときは、ものすごく若くて。ギレインに起こされて、『今日は王子様に会うのよ』と言われた」と話した。

「その時点では、その王子に自分が人身売買されるんだとは、知らなかった」

「エプスティーンにすることを彼にも」

ジュフリーさんによると、ロンドンの「クラブ・トランプ(Club Tramp)」に連れて行かれると、そのVIP室でアンドリュー王子からウオッカらしい酒を渡された。

王子と一緒に踊った後、王子とマックスウェルさんと17歳のジュフリーさんは3人一緒に、マックスウェルさんの家に戻ったという。

ジュフリーさんによるとその時点でマックスウェルさんに、「(王子は)一緒に家に来るから、エプスティーンにするのと同じことを彼にしてあげて」と指示された。家に着くと、暴行は浴室で始まり、寝室に移動したという。

「失礼な真似とかはなくて、『ありがとう』とかそういう優しげなことを言ってから、いなくなった」と、ジュフリーさんはアンドリュー王子について話した。

「王室の人まで関係してるなんて、信じられなかった」

「王子も自分も事実を知っている」

ジュフリーさんはこれまでに、アンドリュー王子に計3回、性的に暴行されたと発言している。1度はニューヨークのエプスティーン宅で、もう1度はカリブ海にあるエプスティーン被告の別邸でのことだったという。

アンドリュー王子についてジュフリーさんは、「そんなことは一切なかったと否定しているし、今後も否定し続けるでしょうが、本人は本当は何があったか知っているし、私も本当のことを知っている」と述べた。

和解金や損害賠償金が目当てなのではないかという憶測については、これを否定し、すでに時効が成立しているため法的な請求はできないのだと話した。

「使い捨て」

アンドリュー王子は、裕福なヘッジファンド経営者だったエプスティーン被告と1999年に初めて会ったと話している。エプスティーン被告が自分の一番の親友と呼んだギレイン・マックスウェルさんは、様々な社交の場で王子と一緒に写真に収まっている。

エプスティーン被告とマックスウェルさんは、英南東部ノーフォークにある女王の地所でキジ狩りに一緒に参加している様子も、撮影されている。

2001年から2011年までイギリスの国際貿易担当特使を務めていたアンドリュー王子は2010年、ニューヨークのセントラルパークでエプスティーン被告といるところを撮影された。

当時の被告は2008年に、未成年を売春に勧誘・斡旋(あっせん)した罪で有罪を認めた後で、アンドリュー王子はこの際も被告との交流を批判された。

NBCの番組は、エプスティーン被告に虐待されたと話す英女優アヌーシュカ・デ・ジョルジオウさんにもインタビューした。デ・ジョルジオウさんは、虐待が原因で自分は「沈黙し、孤立し、物事を隠し、自分を恥じる」ようになったと告白。しかし、同じように被害を主張する女性と知り合うことで、お互いに「とても特別なきずな」を築くことができたと話した。

「ジェフリーは私たちのことを、使い捨て可能なものだと思っていたし、全員をポイと捨てたんです。でもまだ立っているのは誰か、見れば分かるでしょう」

(英語記事 Prince Andrew 'was an abuser', says Epstein accuser)