今のウルトラマンは「中身」が違う?ウルトラマンが女性に注目される理由

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1966年からテレビ放映が開始され、以降今に至るまでに数多くの派生作品を生み出してきた『ウルトラマン』シリーズ。
今では親子3世代でファンだという世帯も増えているこのコンテンツは、基本的に男の子をターゲットに据えた特撮番組です。
ただ、この基本的な形態があるにも関わらず、昔からかなり少ない数ではありますが、女性のファンも存在していました。
そして近年は平成『仮面ライダー』シリーズでよく見られる、主人公の俳優がイケメンという伝統に触発されてか、主役も今風の俳優さんを多数起用しています。
これによって、もともとその俳優のファンだったという方や、子供と一緒に『ウルトラマン』シリーズを観ていた主婦層にも支持される傾向が高まっているようです。
が、他にも女性ウケを模索している要素はあります。
今回は、最近徐々に『ウルトラマン』が「女性に注目される要素」に目を向けてきたことと、その結果について紹介したいと思います。

女性にもウケる『ウルトラマン』を求めて


従来、特撮番組は男の子への訴求力を第一に考えたシリーズ構成が主流でした。
その中でおもちゃの販促も実践しているわけですが、これも2000年代の初頭から、東映の『仮面ライダー』シリーズがけん引しているところです。
『ウルトラマン』シリーズは80年代の初頭から一時期テレビシリーズを中断しており、その間は海外で撮影されたOVを作る程度が精いっぱいでした。
それが1996年になってようやく、テレビシリーズとして『ウルトラマンティガ』というタイトルで復活することになります。
この作品の主役はV6の長野博さん。
当時としては異例の、現役ジャニーズタレントの起用ということで、かなり話題になりました。
そしてこれ以降、その時代のイケメン像にならった俳優を主役として起用する図式は確立されていくこととなります。

人気声優の活用に重きを置いた近年の『ウルトラマン』


で、これは特にここ数年の『ウルトラマン』シリーズに当てはまる傾向なのですが、主人公よりも、ウルトラマンたちの声のほうに主軸が向いています。
どういうことかと言えば、もちろん主役なのでイケメンも多いのですが、それよりもその主役が変身するウルトラマンの担当声優に、著名な声優を使うようになっているんですよね。
その声優たちも、アニメや吹き替えで多数活躍し、若い女性からの支持も多い方々ばかりを選んでいるのです。
いくつか例を挙げますと、ウルトラマンゼロ役に宮野真守さん。ウルトラマンギンガ役に杉田智和さん。ウルトラマンX役には中村悠一さんといった具合に、いずれもビッグネームです。
主人公役の俳優と、これらウルトラマン役の声優の掛け合いも劇中ではかなり多く描写されており、声優ファン向けの演出としても機能しています。
現在放映中の『ウルトラマンタイガ』でも、ウルトラマンタイガ役に寺島拓篤さん、ライバルのウルトラマンであるトレギア役に内田雄馬さんらが起用されています。
こうした傾向を見るに、『ウルトラマン』シリーズの作り手である円谷プロダクションは、かなり意識的に声優ファンへのアピールを行っていることが分かるところです。

おわりに


と、ここまで淡々と客観的に『ウルトラマン』と声優の起用について書いていったのですが、作中では著名な声優たちの掛け合いも面白いものが多く、キャストの演技力の高さも見どころです。
従来の特撮番組像からは少しだけ逸脱してしまった感があって、それはオールドファンにとってはちょっと寂しいところですが、これも時代の変化ですね。
また、登場するウルトラマンたちのキャラクター像も女性にとってとっつきにくくないというか、カドが取れて人間味があり、親しみをおぼえやすいものになっています。
昔のウルトラマンのように、捉えどころのない宇宙人のような印象はほぼなくなっています。
もしもあなたの好きな声優がキャスティングされている作品があったのであれば、一度視聴してみてはいかがでしょうか?
ウルトラマンは着ぐるみなので、いわゆる仮面劇の側面があります。
その仮面劇に取り組む声優の仕事を見るというのも、結構面白いものです。
(松本ミゾレ/ライター)