飛行機を追いかけて滑走路を走った40歳男性(画像は『Mirror 2019年9月17日付「British dad and son chase missed easyJet flight down runway followed by armed police」』のスクリーンショット)

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予定していたフライトに間に合わず搭乗口まで猛ダッシュすることはあっても、乗り遅れた飛行機を滑走路を走ってまで追いかけようとする人はいるのだろうか。しかしイタリアの空港で、これをやってのけたイギリス人親子がいた。ひとつ間違えば大事故に繋がりかねないにもかかわらず、現地空港警察が「まるでコメディ」と語ったお騒がせ親子のトラブルを『The Sun』『Mirror』などが伝えている。

イタリア領のサルデーニャ島にあるカリアリ・エルマス空港で今月17日、警察が英男性2人の身柄を拘束した。拘束されたのはアントニーナ・ロイさん(Antonino Loi、65)と息子のトニーさん(Tony、40)親子で、2人はロンドン行きのイージージェットEZY3204便に搭乗するはずだった。

英メディア『Mirror』によると、2人は搭乗ゲートが開くまで空港内にあるラウンジでアルコールを嗜んでいたようだ。ところが時間を忘れて飲んでいたのか、飛行機の出発時間になっても2人はそのまま飲み続けていた。

そして2人の耳に、搭乗ゲートを閉めるというラストコールの案内が聞こえてきた。慌ててゲートに向かったが、既にゲートは閉じられていた。父親のアントニーナさんが窓の外に目をやると、搭乗する予定の飛行機がまだそこにいることが分かった。

すると2人は非常口から外へ出て、飛行機目がけて滑走路を走り出した。しかし非常口が開いたことで警報装置が鳴り響き、今度は武装警察がロイさん親子を追いかけることとなった。

ゆっくりと移動し始める飛行機を追いかける2人の男性、またそれを追いかける武装警察。この時トニーさんは、警察が追いかけて来たのは自分達が飛行機に搭乗できるよう無線などで呼びかけ、特別な計らいをしてくれているためだと思っていたようだ。

しかしトニーさんの前向きすぎる思考通りにはならず、逆にロイ親子は警察に身柄を拘束されてしまった。小さな部屋へと連れて行かれた後、取り調べのために1時間以上をそこで過ごすこととなった。トニーさんは当時のことを次のように振り返っている。

「全てがお笑いみたいなものだけど、私はどうしても17日に帰りたかったんです。単に飛行機に乗りたかっただけで私達は酔ってもいなかったし、罪を犯すつもりもありませんでした。」

一方、対応した空港警察のミムモ・バーリ警官(Mimmo Bari)はこのように語った。

「頭が悪いとかそういう意味ではなくて、それはもう単に可笑しかったんです。我々はこの間抜けなことをしでかした2人に本当に笑ってしまいました。」

「2人はキャスターのついたスーツケースを転がしながら滑走路を走ってたんですよ。まるでコメディのワンシーンのようでした。でも、もし別の空港だったら撃たれていたかもしれませんね。」

ロイ親子にはそれぞれ2千ユーロ(約24万円)の罰金が科せられ、後日別の便で無事ロンドンに戻ったそうだ。またイージージェットでは、今回の騒ぎについて「今回のような事件は稀なケースです。しかし我々はこの問題について真摯に受け止めるとともに、節度のない脅迫的な行為を容認するようなことは絶対ありません」と声明を出している。

画像は『Mirror 2019年9月17日付「British dad and son chase missed easyJet flight down runway followed by armed police」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)