いくつかの競輪場では勝利者インタビューがファンの目前で行われる(9月某日・G3青森記念の朝)/筆者撮影

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 全国43箇所で開催されている競輪は、競馬と同様、ほぼ毎週重賞レースが開催されている。まずはトップクラスの選手が出場する重賞レースに注目するのが初心者へのオススメの一つだ。しかし、今年の競輪は例年以上に重賞レースが重要になっている。重賞で一番ランクが低いG3であったとしても……

◆今年の競輪で重賞戦線がアツい理由

 今年の競輪重賞戦線は例年以上にアツい。なぜならば、競輪グランプリ出場争いに必要な獲得賞金額が拮抗しており、歴代最高の激戦になっているといっても過言ではないからだ。競輪グランプリの優勝賞金は1億円。競馬とは違い、選手が“まるまる受け取る”ため、そのインパクトは大きい。この競輪グランプリに出場できるのは9名。これが普段のG1ならば出場選手は100名以上によるトーナメント形式(予選、準決勝戦、決勝戦と勝ち上がっていく)なのだが、グランプリは1レースのみ。一発勝負で1億円を争うため、レースそのもののアツさも格段に違うのである。

 この競輪グランプリへの出場条件は、年6回あるG1の優勝者、競輪以外の自転車競技個人種目で大活躍した選手がまず選ばれ、そこから残った枠を最後のG1終了時点での獲得賞金額上位から9名になるまで選ばれる。G1で優勝できなくとも、年間を通してコンスタントに賞金を積み重ねて、夢の舞台の切符を掴むこと方法もある……というわけだ。

【競輪グランプリ出場条件の詳細】
(1)G1優勝者
(2)選考委が特に認めた選手(基本的にオリンピック自転車競技トラック個人種目メダル獲得者が入るため今年は今の所該当者はいない見込み)
(3)年内最後のG1(競輪祭)終了時点での賞金ランキング上位者(以下、賞金枠)

 例年の今頃であれば、賞金枠でほぼ当確となる選手が2〜3名出てくるものなのだが、今年は当確が出ているのは佐藤慎太郎選手だけ。あとは大接戦の状況だ。

 このため、賞金の高い重賞レースでの賞金上積み争いが過去最高に激化しており、最もグレードの低いG3のレースであっても無下にできない状況なのだ。G3の優勝賞金は360万円。ボーダー付近の選手にとってはバカにできない金額であり、その結果、今年の競輪はG3のレースがアツくなっているのである。

◆360万円以内に3選手がひしめく大混戦状態!

【現在の賞金ランキング】
2019/09/18時点
★はG1優勝で競輪グランプリ出場権あり
1  脇本 雄太  102,592,000円★
2  中川 誠一郎 84,825,000円★
3  佐藤 慎太郎 76,901,400円
4  新田 祐大  66,320,000円★
5  平原 康多  61,661,600円
6  清水 裕友  60,242,000円
7  郡司 浩平  59,648,200円
8  松浦 悠士  53,621,000円
9  村上 博幸  43,832,400円
10 諸橋 愛   42,128,700円
11 菅田 壱道  40,624,000円
12 古性 優作  38,633,000円
13 太田 竜馬  38,331,200円
14 渡邉 雄太  38,279,700円
15 小倉 竜二  38,018,900円
16 原田 研太朗 32,290,600円

 競輪グランプリ出場権を持った選手を除いてみると、賞金枠では佐藤慎太郎選手が平原康多選手に約1500万円の差をつけている。だが、平原康多選手以降の賞金差を順番に見ていくと

平原−清水 約140万円
清水−郡司 約60万円

 平原、清水、郡司の3選手はG3の優勝賞金360万だけでも入れ替わりが可能な「僅差」なのである。このG3は、競輪グランプリメンバーが決まる競輪祭までに残りは、岐阜・京都向日町・松戸・京王閣・久留米・防府・四日市と7回の開催が予定されている。ちなみに郡司−松浦の差も約600万円と、G3優勝金にいくつかのレースで活躍すれば逆転も充分に有り得る位置だ。

 直近だと岐阜記念G3「長良川鵜飼カップ」は9月21日〜24日、京都向日町記念G3「平安賞」は9月26〜29日の日程だ。現在の予定では平安賞だと郡司、松浦選手に加え、さらに9位の村上博幸選手も参戦予定となっている。