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 総務省が、「敬老の日」に合わせて発表した人口推計によると、2019年9月15日現在の65歳以上の高齢者人口は、過去最多の3588万人。前年よりも32万人増加しており、総人口(1億2617万人)に占める割合も過去最高の28.4%となった(「統計トピックスNo.121 統計からみた我が国の高齢者―『敬老の日』にちなんで―」より)。

 2017年から団塊の世代の先頭グループ(1947年生まれ)が、70歳に突入していることもあり、定年退職後も働く人は増え続けている。2018年は過去最多の862万人が65歳以降も働いており、65歳以上人口に占める働く人の割合は、男性が33.2%、女性が17.4%だ。

 年齢別では、65〜69歳が46.6%と多いものの、70〜74歳も30.2%の人が働いており、75歳以上でも9.8%がなんらかの仕事についている。このところの労働力不足もあり、高齢になっても働く人はしばらく増加しそうだ。

 定年退職後も働いて収入を得られれば、年金以外の収入源があることで、暮らしにも、気持ちにも余裕が生まれる。ただし、働いて収入が増えると、その分、税金や社会保険料などの負担は重くなる。

 さらに70歳以上の人の場合は、医療費の自己負担割合にも差が出てくる。とくに注意したいのが、入院や手術をして医療費が高額になったときだ。高額療養費が見直されて、2018年8月からは、70歳以上でも一定以上の所得がある人たちの負担が増えているからだ。

年収370万円以上あると
70歳以降も3割負担になる

 病院や診療所の窓口では、年齢や所得に応じて、かかった医療費の一部を自己負担する。70歳未満の人(小学生以上)の自己負担割合は、所得に関係なく誰でも一律に3割だ。そして、70歳になると2割、75歳になると1割に引き下げられることになっているが、すべて一律ではない。

「現役並み所得者」と呼ばれる年収約370万円以上の人は、70歳以降もずっと3割を自己負担することになっており、仕事をしていたり、年金が高かったりして、一定以上の収入がある人は、医療費の負担も高くなるのだ。

 さらに、入院や手術をして医療費が高額になったときの高額療養費も、収入が高くなるごとに、1ヵ月あたりの限度額のラインも引き上げられていく。

 通常、医療機関の窓口では、年齢や所得に応じて、かかった医療費の総額の1〜3割を負担する。例えば、70歳で一般的な所得の人は、自己負担割合が2割なので、医療費の総額が1万円なら、窓口での支払いは2000円だ。

 だが、手術や化学治療を受けたりして医療費が高額になったり、さまざまな病気を抱えて複数の医療機関にかかったりすることもある。例えば、医療費が100万円なら、2割負担でも自己負担額は20万円、医療費が200万円なら自己負担額は40万円だ。医療費の一部を支払えばいいとはいえ、これでは負担は大きい。

 そこで、1973年(昭和48年)に作られたのが「高額療養費」だ。

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