電磁石ホイールで超高速スクロールがさらに快適。ロジクールが高級マウスMX Mater 3発表
キーボードやマウスなど入力デバイスの超大手であるロジクールが、クリエイターやビジネス向けシリーズとして最上位となるマウス『MX Master 3』と、キーボード『MX Keys』の日本版を発表しました。
価格はオープンですが、ロジクール側の参考価格はマウスのMX Master 3が1万3500円、MX Keysが1万4500円。発売日は9月27日です。

MX Master 3最大の特徴は、メインとなる(縦)スクロール用のホイールに、メカレベルでの新機構が導入された点。『MagSpeed』と名付けられたこの機構は、内部に仕込まれた電磁石により「高速でホイールを廻すと機械的なロックが外れ、スクロール速度が上がる」動作を実現します。



MX Keysは、メタルプレートを採用した薄型キーボード。キー構造は同社の高級キーボードに採用される『PerfectStroke』を採用します。キー構造としてはいわゆるメンブレン系ですが、独特のパンタグラフ構造を採用したことで、キーの端を押してもしっかりと打鍵できる点が特徴です。



MX Master 3に搭載された『MagSpeed電磁気スクロール』は、現行モデルMX Master 2S、および初代MX Masterで採用された"自動切り替え版"高速スクロールホイールを、よりシンプルな機械的機構、かつスムーズな切り替えで実現するべく開発されたもの。

この高速スクロールホイールとは「高速でホイールを廻すと、ホイールのクリック感を出す部品である『ラチェット』の機械的なロックが外れ、非常に高速なスクロール(とホイールの回転)が実現できる」という機構。ロジクール高級マウスのお家芸的な機能ともなっています。

このホイール自体はロジクール製マウスのいくつかが搭載しますが、MX Master系が搭載するのは、回転数に合わせてホイールのロックが自動的に外れる"自動切り替え"版。より手頃なモデルでは、スイッチでユーザーがロックを切り替える"手動切り替え"版があります。



Master 3で改善のメスが入ったのは、この自動切り替えを実現するためのメカ的な機構です。MX Masterと2Sでは、ロック機構を動かすために、小型のモーターを搭載していました。対してMaster 3では、電磁石と磁気に反応するラチェットにより「機械的にラチェットを動かさずにロック的な動作を掛ける」ことで、滑らかな切り替えを実現します。



操作性の向上という面では、MX Master/2Sより、本体の形状や各ボタンのレイアウトもブラッシュアップされています。とくに左側面のいわゆる「戻る/進むボタン」に関しては、MX Master/2Sから大きく位置が変更。横スクロールホイールの底側に位置し、より押しやすくなりました。

MX Master/2Sでのこのボタンは、いわゆる「慣れが必要だった」と評されることが多い操作性であったことから、ここは個人的にも好ましいと感じました。



さらにソフトウェアの面でも強化。といってもユーティリティは現行機と同じ『Logicool Options』で、複数PCでのデスクトップ共有(連携)機能『Logicool Flow』などが使える点も変わりありません。

ですがMaster 3Sでは、Microsoft Office系やAdobe Creative Cloud系アプリ――ExcelやWord、IllustratorやPhotoshopなど――用に、標準で各種ボタンやホイールをカスタマイズした設定が適用されるようになっています。



例えばPhotoshopやIllustratorでは、戻る/進むがアンドゥ/リドゥとして動作するため、これらのアプリを使っているユーザーにとって、実際の使用感は大きく変わるものとなりそう。

もちろん、ユーザーによるカスタマイズは従来からも可能です。つまり「デフォルトで適用されるようになった」点が大きな違いです。

なお、無線接続に関しては、Master/2Sを継承した構成。Bluetooth Smart(Bluetooth 5.0)と同社独自無線技術「Unifying」という2種類の無線接続対応、接続方法に関わらず3台までの本体をサポートするマルチペアリング機能など、評価の高かった点はすべて継承します。



同時発表されたキーボード『MX Keys』は、PerfectStroke機構の採用と、近接センサー制御によるバックライト機能を搭載した点が特徴のモデル。

キートップ構造はいわゆるアイソレーションタイプですが、指先にフィットする凹みを持たせたキートップや、金属外装により薄型でありながら打鍵時の剛性感も兼ね備える本体など、高級キーボードならではの仕上げが施されています。



またMX Master 3と同じく、Bluetooth Smartと独自無線、合わせて3台の本体とのペアリングが可能。複数PCとの接続時にはLogicool Flowも使えます。またキートップは同社のBluetooth対応製品らしく、MacやiPhone、iPadに接続した際の記号も併記される仕様です。



またテンキー付きではありますが、本体幅を狭めた構造。一方で「変換」や「ローマ字」といった日本語入力関連のキーは大型化するなど、配列には独特の割り切りがなされたものです。

なお、MX Keysのこうした特徴の多くは、現行モデルのビジネス向け高級キーボード『CRAFT』から継承したもの。MX Kyesは言わば「入力ダイヤルを搭載しないCRAFT」とも呼べる製品です。

ただしキータッチはCRAFTと大きく傾向が異なり、かなり軽め。ロジクールのPerfectStroke採用モデルでは『DN-900』に近い軽快な入力感です。



このようにMX Master 3とMX Keysは、ロジクールの高級マウスとキーボードだけあり、非常に凝った機構を採用するのが特徴。とくにMX Master 3の高速スクロールホイールは、その操作性からファンが多かった機構だけに、どう変わっているか楽しみな方も多いはず。

個人的には、機械的な動作部がなくなったことによる切り替えの滑らかさ――いわゆるシームレス感――と、自分の感覚との一致度がより高くなった印象が持てる、非常に好ましいものでした。また戻る/進むボタンに関しては、現状では手放しで褒めてもよいほどの改良です。

また一方で、ホイールのロックを手動で切り替えた際に、MagSpeedでは本来鳴らないはずの「カチッ」という音が鳴る点は驚いたところ。発表会場で質問したところ、これはMX Master/2Sで気持ちよかったところだけに、あえて鳴らしているとの回答でした(MX Master/2Sユーザーには、これがどれだけ嬉しいかお分かりいただけるかと思います)。







そして発表会場の展示では、MagSpeedの機構検証用試作モデルや、3Dプリントされた大型模型、そしてエルゴノミクス検証用の試作木型の数々なども並びました......が、筆者が感動したのは、歴代MXシリーズとして『MX Revolution』が登場した点。



同機は自動切り替え版高速スクロールホイールを最初に搭載したモデルなのですが、初代MX Masterと2Sに並んでこの機種が展示されていたことに、意味のわかる記者陣からは感動の声が上がっていました(冗談抜きに、それほど愛されたモデルなのです)。