タイ西部の「タイガーテンプル」で、トラに埋め込まれたマイクロチップをスキャンする当局者(2015年4月24日撮影、資料写真)。(c)Nicolas ASFOURI / AFP

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【AFP=時事】かつて人気の観光名所だった、タイ西部の通称「トラ寺院」から押収されたトラ147頭のうち、半数以上に当たる86頭が死んだことが分かった。当局が16日、明らかにした。原因として、近親交配に伴う遺伝的な問題を指摘する声もある。

 同国カンチャナブリ(Kanchanaburi)県の仏教寺院「タイガーテンプル(Wat Pha Luang Ta Bua)」では、料金さえ支払えば間近でたくさんのトラと写真が撮れるとして、長年大勢の観光客が訪れていた。

 だが、トラへの不適切な管理疑惑やトラが搾取されているとの指摘があり、当局は2016年、トラを移送させる作業を開始した。同寺院を相手取り、複数の裁判沙汰も持ち上がっている。

 さらに観光客から毎年巨額の利益を得ているとうわさされていた同寺院の冷凍庫から、トラの子ども数十頭の死骸が保管されているのが見つかり、同寺院が死骸を売っているのではないかとの見方が広がった。

 トラの体の部位は、薬効があるとの迷信がある中国とベトナムで、非常に高く売れる。

 生き残ったトラの成体は近郊のラチャブリ(Ratchaburi)県にある繁殖施設2か所に移された。だが当局者が報道陣に対して明らかにしたところによると、147頭のうち61頭しか生存していないという。

 当局者は原因について「近親交配に関連している可能性がある」「体と免疫システムにリスクをもたらす、遺伝の問題を抱えていた」と説明。

 トラの多くは致死的な発作につながる舌のまひ、呼吸障害、食欲不全に苦しんでいたという。

 一方で動物愛護団体は、当局が押収した多数のトラを、病気がまん延しやすい小さなおりに押し込んでいたとして、適切な世話を行っていたのかどうかを疑問視している。

【翻訳編集】AFPBB News