<ローズS>外から差し切り、1番人気に応えたダノンファンタジー(手前)(撮影・中村 与志隆)

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 2歳女王が鮮やかに復活した。秋華賞トライアル「第37回ローズS」が阪神競馬場で行われ、1番人気ダノンファンタジーが中団から鋭く脚を伸ばして差し切り勝ち。3月のチューリップ賞以来となる5勝目、重賞4勝目をマーク。勝ち時計1分44秒4はコースレコードとなった。2着ビーチサンバ、3着ウィクトーリアまでが秋華賞の優先出走権を手にした。

 2歳女王はしぶとかった。坂を上がってからも懸命に叩き合うビーチサンバ、ウィクトーリアに外からひたひたと迫ったダノンファンタジー。最後の1、2完歩でグッと首差、差し切った。1分44秒4。レコードの赤い文字が躍る。川田が万感を込めて振り返った。「直線に入ってから、課題もいろいろ見つかったけど、その中で勝ってくれました。調教は大変だけど競馬に来れば上手なのが強みです。安心して乗っていられます。秋華賞は、より能力を出せるような状態で向かえればいいですね」

 川田の判断はベストだった。好スタートを切ったが、左右から3頭来たところでスッと馬を下げた。2列目の真ん中に陣取る。これでは馬は“悪さ”できない。しっかりと折り合って直線を向くと、前が空いた。右ムチ、左ムチ、そして右ムチ。最後は執念で届いた。

 中内田師も満足そうな表情だ。「レコード決着だし、馬も最後はしんどかったですね。ジョッキーはうまく乗ってくれました。返し馬で、だいぶ成長している感じもありました。これで、もう一つ馬は良くなると思います」

 万全の立ち回りで阪神JFを制したが、桜花賞は道中で首を上げて4着。オークスではパドックでテンションの高さを露呈。距離も向かず5着に敗れた。ひと夏を越し、パンと張ったトモ(後肢)を披露。パドックも返し馬でも冷静だった。精神的な成長を感じさせ、最後の1冠に挑む。「コーナー4つはオークスで経験している。あのような上手な競馬ができれば」(同師)。ラヴズオンリーユーがいない秋華賞戦線は譲れない。秋初戦を制し、主役へと返り咲いた天才肌の2歳女王がG1へと突き進む。

 ◆ダノンファンタジー 父ディープインパクト 母ライフフォーセール(母の父ノットフォーセール)牝3歳 栗東・中内田厩舎所属 馬主・ダノックス 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績8戦5勝 総獲得賞金2億3620万9000円。