「家から出たくない人」の本当の心理

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仕事や人間関係、恋愛などのプライベートがうまくいかないことが続くと、なんだか疲れてしまい「家から出たくない」という気分になることってありますよね。

もちろん家にいることが大好きというポジティブな気持ちで家にいる方もいますが、「このままでは引きこもってしまうかも」とネガティブな気持ちを抱えている場合は、なんとか気持ちを立て直したいところです。

今回は、この「家から出たくない」という心理を分析し、さらに引きこもりたい気持ちを克服するヒントもお届けしたいと思います。

■「家から出たくない人」の心理

それではまず「家から出たくない」と感じるときの心の状態について、ネガティブなものからポジティブなものまで含めて解説してみたいと思います。

◇(1)身体が疲れている

外に出るためには起きたときのままというわけにはいきませんよね。

場所によっては、髪型を整えたり、メイクをしたり、洋服を選んだりしなければならないでしょう。

身体があまりにも疲れていると、外に出るというより、その前の「外出への準備」が億劫になってしまいます。

◇(2)心が疲れている

外に出ると必ずなんらかの刺激があります。

人と話さなくても、他人とすれちがう、電車で知らない人の隣に座る、景色が移り変わるなどはすべて刺激です。

刺激とは言いかえるとストレスです。

心が疲れていると、どのような刺激も受けつけなくなります。

◇(3)家が好き

これはポジティブな心理です。

たとえば、読書やDVD鑑賞、お菓子作りなど家でできる趣味を持っている場合、楽しいことをするためには家にいることがベストな選択なのです。

◇(4)面倒くさがり

心身が疲れているというわけでも、家でできる趣味があるわけでもないけれど、基本的に面倒くさがりの性格を持っている場合は、消去法的な理由で「外に出るのだったらまだ家にいるほうが楽」という心理になります。

◇(5)やる気が出ない

家にいても何事にもやる気が出ないという心理状態です。

感覚としては「鬱鬱としている」という感じです。

そのほか、だるさ、眠っても疲れがとれない、頭痛などの身体症状を伴う場合もあります。

■家から出たくない理由

それではなぜそのような心理状態になってしまうのでしょうか。

ここからはその理由で代表的なものをあげて解説していきます。

◇(1)ストレスフルな日常

ほとんどの方は家から出ないといってもそれは休日だけのことで、仕事のためには外出できていると思います。

しかし、その仕事で大きなストレスを感じて心身が疲れきってしまうと、休日に外に出てプライベートを楽しむ余力がなくなってしまいます。

本来仕事はプライベートを充実させるためのツールのひとつですが、その仕事によってプライベートが楽しめないという本末転倒な状況になってしまっています。

◇(2)家で過ごすことが好き

自分の趣味が家で完結することである場合、「家から出たくない」という理由ではなく、「家で過ごしたい」という前向きな理由から家で過ごすことになります。

現代はネット環境の発達によって家でもいろいろなことが楽しめるようになったため、このような人が増えています。

◇(3)疾患

「家から出たくない人の心理」の部分の(5)やる気が出ないという心理状態になっている方に多い理由です。

こうした心理状態に加え、睡眠がうまくとれない、鬱鬱とする、頭痛、胃腸不良といった心身の不快症状があったり、「以前は楽しいと思えていたことが楽しいと思えなくなった」という自覚があり、またそれが2週間以上続いていたりする場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

■家から出たくないときの対処法

それでは、ここからは「引きこもりたくないのに家から出たくない」という心を外に向けるために心がけていただきたいことをお伝えします。

◇(1)規則正しい生活をする

特に心がけていただきたいのは、休日の前の日の夜の過ごし方です。

明日は休みだからと夜遅くまで遊ぶ→翌日昼過ぎまで寝てしまう→そのままだらだらしてしまう→夜が寝られない、となりがちで、連休があっても昼夜逆転で終わってしまいます。

時にはハメを外して遅くまで飲んだり遊んだりする日もあってよいですが、それが常態化しないように気をつけましょう。

◇(2)強制力をつける

事前に予定を入れてしまいましょう。

自分に甘いタイプの方は、友人など他人と共に過ごす予定を入れて強制力を持たせたり、習い事をしたりするなどがおすすめです。

行く前までは億劫な気持ちになっていても思い切って出かけるとスッキリします。

その時の体験が徐々に「外に出る」という習慣を作っていきます。

◇(3)ゆっくり休む

矛盾するようですが、何がなんでも外に出なければならないということはありません。

強いストレスを感じる出来事があったあとや仕事が忙しい日が続いたあとなどは、外からの刺激を極力避けることも大切です。

焦りそうになったら「今やるべきことは休むこと」といった気持ちでゆっくりと休みましょう。

■メリハリをつけた休日を心がけて

このコラムでお伝えしたいことは、休日は必ず外に出ましょうということではありません。

家でゆっくり休む日もとても大切ですし、家で過ごすことが好き、といったポジティブな理由で家にいることもいいことです。

休むときは休む、外に出るときは外で思い切り発散する!

そういったメリハリをつけた休日の過ごし方をしてみてください。

外に出て太陽の光を浴びることは人間のメンタルバランスを整えるためにはとても大切なこと。

休日がいつもなんとなく終わってしまう、家で休んだはずなのにスッキリしない、という方は、ぜひこれを機に思い切って外に出かけてみましょう。

(小日向るり子)

※画像はイメージです