これぞ天然のジェットコースター。といってもレールが敷かれているわけではなく、川の状況によって毎回異なるスリルを味わえるのが魅力です

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近年、話題のアウトドア・アクティビティ。あまたある中からどれを選ぶべきか、迷ってしまう方も少なくないはず。そこで、国内最大級のアウトドア・レジャー専門の予約サイト「SOTOASOBI(そとあそび)」との共同企画として、現地の深掘り取材を繰り返すナビゲーターに“とっておきのアクティビティ”を教えてもらう企画をスタート。

【写真を見る】白波が立っているところが瀬と呼ばれる激流ポイント。上流側と下流側の高低差によって、ボートが一気に加速します!

今回は、林 創(はやし・そう)さんの“とっておき”を紹介します。

前職でアウトドアメーカーに勤務していたこともあり、これまで数多くのアクティビティを経験してきましたが、その中でも特に僕が大好きなのがラフティング――そしてTATAMIです!え?TATAMIってなんだ?と思われた皆さん、日本で唯一のTATAMI体験については後半で!

ラフティングは6〜8人乗りのゴムボートで急流を下る人気のリバーアクティビティ。僕自身、「SOTOASOBI」のナビゲーターになって初めて挑戦したのですが、一瞬にしてその面白さの虜になりました。

流れに乗ったときのスピード感はもちろん、“瀬”と呼ばれる浅く流れが速い場所にさしかかったときのスリルと迫力はまさに絶叫アトラクション!岩や波に弾かれたボートは激しく暴れ回り、絶え間なく上がる水しぶきでずぶ濡れはあたりまえ。でも、これがめちゃくちゃ気持ちいいんです!

とはいえ終始荒々しい展開が続くわけではなく、流れが緩やかな“瀞場”(とろば)ではのんびりと大自然を眺めながらクルージングが楽しめるのも見逃せないところ。瀬での慌ただしさがウソだったかのような穏やかなひとときにホッと心が休まります。この瀬と瀞場のメリハリのある楽しさもまた、僕がラフティングにハマった理由のひとつです。

ツアーでは、ガイドとお客さんが力を合わせてボートを漕ぐため、特別な一体感が味わえるのも大きなポイント。知らない人同士でも激流ポイントを乗り越えるたびにチームワークが芽生え、最後にはみんなで大騒ぎ!これほどまでにお客さん同士が仲良くなれるアクティビティを体験したことがなかったので、参加者全員で興奮と感動を共有する楽しさは僕にとって衝撃的でした。

そんな魅力あふれるラフティングですが、その醍醐味を存分に満喫したいのであれば迷わず四国・徳島をおすすめします。なぜなら、利根川(関東)、筑後川(九州)と並ぶ“日本三大暴れ川”のひとつとして知られる吉野川のラフティングツアーは格別だから!

特筆すべきはなんといってもスリル満点なところ。場所によっては雪解けで水量が増す時期とそうではない時期とで川の勢いに差があり、思っていたよりもスリルがなかった…なんてことがあるのですが、吉野川は大丈夫!1年を通じて水量が安定しているため、ツアーシーズン中であればいつでも満点のスリルが味わえます。

さらにツアーのフィールドとなる大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)は、吉野川の激流によって作られた約8km続く渓谷。川の両側には数十メートルの崖が切り立っており、その間を縫うようにエメラルドグリーンの川が流れる風景はまさに絶景そのもの!目の前に広がる日常と隔絶した美しい世界と日本を代表する暴れ川の迫力とスリル。これらをいつでも気軽に味わえる吉野川は、四国がどんなに遠い人でも絶対に後悔しない面白さに満ちています!

吉野川では、さまざな事業者がツアーを開催していますが、僕のイチオシは強烈なガイドと多種多彩な楽しさが待っている「素猿(スモンキー)」のツアー。もう「素猿」という名前からしてタダモノではない感が漂っていますが、代表兼ガイドを務める“ケンさん”こと田村賢壱さんがとにかくスゴい!

国内におけるフリースタイルカヤック乗りの草分け的存在で、全国のウォーター系アクティビティ業界ではもちろん有名人。誰もが恐れる激流ポイントにもカヤックで難なく突撃し、笑顔でピースサインを見せるほど優れた技術と度胸があるので「クレイジー・ケン」と呼ばれたりしているんです(笑)。達人としてテレビにも出演していて、最初は近寄りがたい方なのかなぁなんて思っていたら、お会いしてみるとその気さくさな人柄にびっくり!すごく話しやすくて、最高に面白い方だったんです。

「素猿」では、吉野川の激流を満喫する「小歩危コース」のほか、少しスリルを抑えた「中歩危コース」や小学1年生から参加できる「大歩危コース」など、初心者から経験者まで目一杯楽しめるツアーを用意。圧倒的なスリルを求める僕は、もちろん「小歩危コース」に参加しました!

実際にツアーに参加してみて強く感じたのは、吉野川の暴れ具合はとにかく別格(笑)。スタートしてすぐにかなり迫力ある瀬を乗り越えたのですが、そこは名所でもなんでもなし。通常、絶叫ポイントとなる瀬には「森囲いの瀬」とか「豊永の瀬」といったように名前が付けられるのですが、その序盤の瀬には名前すらないそうで、他の川ではメインとなりえる瀬が吉野川では普通のレベルで扱われるほどの暴れっぷりとなっています(笑)。

その後も大小さまざまな瀬を乗り越えて突き進む迫力に大興奮!それに輪をかけてツアーを盛り上げてくれたのがケンさんです。僕がさまざまなラフティングツアーに参加してみて感じているのが、ガイドと参加者の距離感や温度差。「次はあっちに向かって漕いでください」「この川の魅力は景色が…」など、ガイドがていねいかつ穏やかに説明してくれるツアーもありますが、お客さんによっては気分がいまいち弾けないなんてこともあるようです。確かに楽しいんだけど、もっと弾けたい…!心底ラフティングを楽しみたい!となりますよね。

そこがケンさんは違います!もちろん危険が伴う場所では、冷静かつ的確に指示を出してくれますが、ほとんどのシーンでは自分もお客さんと同じ…いやそれ以上にめちゃくちゃ楽しんでいるんです。毎日ツアーでこの場所をガイドしているはずなのに、そこにいるカモやチョウチョウに感動したり、ボートで遊べるポイントを探してみたり。純粋にこの吉野川というフィールドを愛する気持ちがヒシヒシと伝わってくるので、同乗している僕たちも自然と盛り上がってしまうのです。

コース上で一番の落差を誇る「大滝の瀬」で行う「大滝サーフィン」は、そんなケンさんの遊び心が生んだツアーの見どころです。あえて流れに逆らうように下流から瀬に近づき、まるでロデオのように暴れ回るボートを操舵。ボートごとにどれだけ長い時間持ちこたえられるかを競ったりするのですが、その迫力は半端じゃありません!極限のスリルを求める方は、ぜひチャレンジしてください!

■ 見た目で判断したら大後悔!ケンさん開発のTATAMIはとんでもなく面白い!!

ツアーの魅力をたっぷり紹介したところでいよいよ本題(ではない)!吉野川でのラフティングの楽しさを目一杯引き出してくれる「素猿」のツアーですが、ラフティング以外にもびっくりするほど面白いアクティビティが体験できるんです。それが、僕の超お気に入りとなった「TATAMI」です。

TATAMIはケンさんが独自に開発した、特殊素材でできた筏のようなマットで、大きさはその名のとおり一畳分ほど。これに乗って川を下る遊びなのですが、乗り心地が何とも言えない快適さ。見た目のふにゃふにゃはんぺんみたいな姿のおかげで、波に吸い付くような柔らかさで水上に浮かびます。ラフティングのボートやカヤックのように波に反発することがなく、空飛ぶ絨毯に乗って川を散策しているような気分を味わえる不思議なアクティビティです。

もともとは釣りの浮島として開発したそうですが、それを川下りに活用するのはケンさんらしい遊び心があってこそ。何度もフィールドテストを行って試行錯誤を重ね、現在の「TATAMI」は8代目になるそう。かなり手間がかかっているのですが、見た目の派手さがなく、一見つまらなそうに見えてしまうのが悩みのタネらしいです(笑)。確かに見た目は地味ですが、実際に乗ってみるとやみつきになる楽しさがあり、僕などはむしろこの「TATAMI」で遊ぶためにまたケンさんのツアーに行きたい!と思っています。ああ四国出張ないかなぁ…(笑)。

「素猿」では毎年、4月中旬〜10月中旬にかけてツアーを開催。多種多様なコースがありますが、いずれも僕イチオシのTATAMIで遊べるのでご安心を(笑)!

今年もまだギリギリ予約が間に合うので、吉野川でラフティングを体験してみたい方、日本最大級のスリルを味わいたい方、TATAMIを体験したい方はぜひとも参加してみてください。

【プロフィール】

ナビゲーター:林 創(はやし・そう)

長野県の山奥出身。大手アウトドアメーカーに勤務するも、アイテムよりもアクティビティそのものの魅力にひかれ「そとあそび」に入社。SOTOASOBIのナビゲーターとして最高のアウトドアレジャー、最高のガイドカンパニーを紹介するため日本全国を奔走中!好きなアクティビティは、カヌー・カヤック、トレッキング、山スキー、ラフティング、そしてTATAMI!(東京ウォーカー(全国版)・浅野祐介/ウォーカープラス編集長)