長期の海外留学は難しくても、短期間の“プチ留学”なら気軽に行けます。リゾートで観光も兼ねて、現地ならではのボランティアや習い事……。語学力アップだけが目的ではない大人の旅に、出かけてみませんか。

■日常から出ることで、新しい発見が得られる

プチ留学は語学だけでなく、習い事やボランティアなど、すそ野が広がっています。今いる組織にとどまらず、海外に出て個人として成長していきたい、そんな働く女性の思いを後押しするプログラムはどんどん増えています。

イラスト=大山奈歩、以下すべて同じ

たとえ短期間でも、ふだんの居心地のいい場所から出ることで、見方や考え方が全く変わります。学校に行けば、さまざまな国籍の人とフラットに話ができますし、語学力もブラッシュアップできる。何よりも仕事や人生の価値観を見直すいい機会になるので、新しい自分も発見できるでしょう。帰国後もいろいろな局面で意欲が高まると思います。現地で知り合った人とSNSでつながって、日常生活にアクセントをつけるのもいいですね。次の休暇に向けて、ぜひ計画を立ててみませんか。

▼プチ留学を成功させる4つのPoint
1. 社会人の多い学校を選ぶ
春・夏にカナダ・バンクーバーや米・ロサンゼルスなどメジャーな都市に行くと学生が多く、クラスに社会人は1人だけとなる可能性も。時期をずらす、都市を変える、あるいは社会人コースのある学校に行くのが理想。
2. 滞在先にこだわる
大人のプチ留学には、滞在先が重要。ホテルステイなら治安がよくて、アクセスのよいところを選ぼう。ホームステイを選ぶなら、エージェントに希望条件をしっかりと伝えて。いずれも滞在費用は惜しまないこと!
3. 留学エージェントは相性が大事
自分の希望が伝わりやすい相性の合う留学エージェントに出合えれば鬼に金棒。効率的に準備が進められる。口コミはもちろん、「J-CROSS(留学サービス審査機構)」認証事業者かどうかも、ひとつの物差しになる。
4. 現地ではアプリをフル活用
配車アプリ「Uber」や「Grab」、旅行口コミアプリ「TripAdvisor」など、スマホアプリは現地で動くときの強い味方。特にUberは運転手がビジネスパーソンであることもあり、移動中に英語でビジネスの話ができて楽しい。

■週末リゾートで語学力をブラッシュアップ

観光が楽しめて、旅行気分も味わえる!

リフレッシュしながら、英語力をアップさせたい人はリゾートプチ留学がおすすめ。なかでもフィリピンのセブ島は、欧米に比べると費用は半額か半額以下、直行便がありアクセスもよいことで、人気が定着しています。最近は日本資本で日本人をターゲットにした学校が増えています。東南アジアからの留学生も多いですね。

多くがマンツーマンレッスンをベースにしているので、自分のレベルにフォーカスして学べるのがメリット。またオンライン英会話が発達している学校もあり、帰国してからも継続的にやりとりができます。スロン島やボホール島など、周囲には休日に楽しめる自然豊かなスポットが多いのもいいところですね。

セブ島以外に、地中海の中央にあるマルタ島やインドネシアのバリ島にも、集中スタイルで英語を学べるところがあります。

■現地だからこそできるボランティア体験

ビジネスとは一味違う、得難い経験ができる

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ニーズが高まっているのが、ボランティアプチ留学です。オーストラリアやニュージーランドには、午前中は授業、午後はボランティアのコースを提供している学校があります。オーストラリアなら動物保護、ニュージーランドならチャイルドケアや介護系、タイなら山岳民族支援など、その中身にはお国柄が出ているところが面白い。ボランティアだけに行く場合は、日本人が主催しているNPOやNGO(非政府組織)が狙い目。短期でも受け入れているところもあります。事前にリサーチし、出発日を調整しましょう。

ボランティア活動は、ビジネスとはまた一味違った喜びを得られるのが魅力。海外には、しっかりとミッションを持った受け入れ団体も多いので、実際に参加することで大いに刺激を受けるはずです。

■習い事で本場のエッセンスを持ち帰る

プチ留学だから初心者でもトライしやすい

フランスでフレンチ、イタリアでイタリアンなど各国の料理教室をはじめ、ニュージーランドでワイン、タイでマッサージ、オーストラリアでバリスタ……、習い事もプチ留学で楽しめます。

特に料理教室はバリエーションが多く、学校が午後に行っているところや、1日コース、5日コースなど本格的に学べる料理教室も。作り方や調味料の使い方など基本をいったん覚えれば、日本に帰ってきてからもそのエッセンスを応用できます。現地での1日体験が、もしかしたら副業のきっかけになるかもしれません。

また最近、人気なのがスポーツ。オーストラリアやニュージーランド、ハワイなどでサーフィンやゴルフ、乗馬などを楽しむ人が増えています。すでに習っていて技術を向上させたい人はもちろん、初めてトライするスポーツも、プチ留学なら始めやすいでしょうね。

■子どもといっしょに楽しむ親子留学

親子で安心して過ごすなら、フィリピンやニュージーランドへ

子どもが幼稚園や学校で学んでいる間に、親は語学学校に行ったり、ショッピングやエステなどでリラックスしたり、と親子で楽しむプチ留学も人気です。

特にさかんなのは、フィリピンのセブ島やマニラ、ニュージーランド。平日は市街地のコンドミニアムで過ごし、週末は近場でショートトリップを楽しむというコースもおすすめです。

ニュージーランドでは政府が親子留学を推進し、子どもは小学校に体験入学するスタイルがメイン。親はガーデニングやお茶など習い事が楽しめます。

■オフィスで実践的に英語を学ぶインターンシップ

キャリアアップを考える人へ。ただし英語力と期間に注意

アメリカやカナダ、オーストラリアなどでは、語学学校+インターンシップという形で、2週間から1カ月ほどのコースを設けているところがあります。ただし英語力と期間には注意が必要。英語を使って働くため、会話は中級以上、TOEICでは700点以上の英語力が求められます。長期で滞在する場合は、ビザが必要なケースもあるので、あらかじめ確認が必要です。

仕事内容はアシスタント的なものがほとんどですが、実践的に英語を使って現地のオフィスで働くことで、日本との違いがわかる、よい機会になります。キャリアチェンジの際に、履歴書に会社名を書けるのもメリットになるでしょう。

■▼おすすめ留学プログラム6

1. TARGET Global English Academy「TARGET5」
セブ島の市街地にある学校。日本人スタッフによる学習相談や、日本人の口に合う食事の提供など、きめ細かな配慮がうれしい。
●場所:フィリピン・セブ島 ●期間:6泊7日 ●レッスンスタイル:マンツーマン、平均5〜7人のグループクラス ●滞在スタイル:キャンパスと寮の一体型、外部ホテル利用プランあり ●日本人率:50% ●費用:約10万6040円
2. QQ English「ボディメイク・ストロングプラン」
英語レッスンにエクササイズと専用の食事がついた、語学と体を鍛えるコース。セブ島のリゾートエリアに位置し、学校は元ホテル。
●場所:フィリピン・セブ島 ●期間:1週間から ●レッスンスタイル:マンツーマン英語レッスン6時間、パーソナルボディメイクトレーニング2時間 ●滞在スタイル:ホテルを改装した寮で1〜6人部屋 ●日本人率:50% ●費用:約12万1380円から
3. EC「ECマルタ30+コース」
30歳以上が対象で、大人が日常でよく使う英語表現が学べる。学校はマルタ観光の中心地にあるため、買い物に便利。海にも近い。
●場所:マルタ・マルタ島 ●期間:7泊8日 ●レッスンスタイル:平均10人のクラスで最大12人 ●滞在スタイル:レジデンス、ホームステイ ●日本人率:10% ●費用:約7万2000円
4. Bali Bali English「バリ島留学体験」
インドネシア人とマンツーマンで、自分に合ったペースで英語が学べる。プール付きホテルステイで、週末の観光ツアーも充実。
●場所:インドネシア・バリ島 ●期間:6泊7日 ●レッスンスタイル:マンツーマンほか ●滞在スタイル:プール付きのホテル ●日本人率:100% ●費用:約10万7000円
5. セブリッシュ「旅育プログラム」
自然豊かなセブ島で、TESDA認定校の講師陣が英語を教える。レッジョ・エミリアのカリキュラムを取り入れたプログラム。
●場所:フィリピン・セブ島 ●期間:5泊6日 ●レッスンスタイル:(子ども)グループプログラム。(大人)2、4日目は親子プログラム、3、4日目はマンツーマンかスパ・マッサージ120分 ●滞在スタイル:高級コンドミニアムの8(エイト)ニュータウン ●日本人率:ほぼ100% ●費用:約18万3000円(2人分)
6. ウィッシュインターナショナル「選べる個人レッスン」
富裕層の暮らすマカティ地区にある。英検対策、IELTS対策、一般英語から選べる。大人は希望すれば、ビジネス英語が学べる。
●場所:フィリピン・マニラ ●期間:6泊7日 ●レッスンスタイル:マンツーマン ●滞在スタイル:警備員常駐のキッチン付きコンドミニアム ●日本人率:ほぼ100% ●費用:約16万7000円(2人分)

■▼私もプチ留学しました!

充電期間中にセブ島で、スピーキングを強化
転職先で英語が必須に! 2週間で“話す度胸”を
大畠怜奈さん(39歳)

システムエンジニアとしてのキャリアアップのために転職を決意。転職先は本社がアメリカで、英語が必須となるため、有休消化期間の2週間を使いセブ島の「TARGET Global English Academy」へ。毎日8クラスのマンツーマン授業と夜のグループクラスを受けました。マンツーマンは初回に2週間分の内容を決めてからスタート。スピーキングに特化したプログラムを自分で組み立てましたが、進めるなかで柔軟に変えることができたのもよかったですね。費用は渡航費も含めて約20万円と格安なので、リピーターもいました。話す度胸や聞く耳は以前より向上したと感じますが、まだまだ。また時間を見つけて訪れたいです。

(写真左)夜出かけるときは、仲間といっしょに。安くておいしいビールに舌鼓。(同中央)入学時はHigh Intermediateだったが、卒業時はLowAdvancedにレベルアップ。(同右)個室でマンツーマンなので、人の目を気にせず存分にしゃべれる。先生は1時間おきに交代。

ホリデーも兼ねて、バリ島で英語レッスン
1日7人の先生とマンツーマンで弱点強化
御供真琴さん(46歳)

私にとって海外旅行は、未知の文化や考えに出合える大事な仕事の肥やし。いろいろな価値観をありのまま受け止める感覚は、仕事である特別支援の教育にも確実に活かされています。その旅行を楽しむためのツールである英語力向上のために、2017年に2週間、18年は1週間と2回にわたり、バリ島の「Bali Bali English」に行きました。マンツーマンレッスンがベースなので、自分の弱いところを集中的に学べて、短期のわりに濃い内容。1日6、7人の先生が担当するので、それぞれの先生のバックグラウンドに触れられるのも楽しい体験でした。インドネシアは見どころ満載で、観光を兼ねたいという私のニーズにぴったりでした。

(写真左)1日5時間のマンツーマンレッスンのほか、グループレッスン1時間、フリークラス1時間の計7時間。(同中央)授業後、ウルワツ寺院でケチャを堪能。こうした文化に触れる機会は欠かせない。(同右)屋外でのグループレッスン。先生たちの企画力も素晴らしい!

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大川 彰一(おおかわ・しょういち)
留学プロデューサー
留学ソムリエ代表取締役。大手留学エージェントのチーフカウンセラーを経て、米国の教育団体でグローバル人材育成に関わる。全国の教育機関、留学イベントでの講演実績多数。
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(留学プロデューサー 大川 彰一 構成=池田純子)