主演として豪華キャストを引っ張った中井貴一

写真拡大

 俳優の中井貴一が13日、TOHOシネマズ日比谷で行われた映画『記憶にございません!』初日舞台あいさつに登壇。配給元の東宝から、興行収入30億を狙える好スタートを切ったことが発表され、中井は「初日に多くの皆さんに観ていただけて幸せです」と笑顔を見せていた。舞台あいさつには、中井のほかディーン・フジオカ、石田ゆり子、草刈正雄、佐藤浩市、小池栄子、斉藤由貴、木村佳乃、吉田羊、後藤淳平(ジャルジャル)、三谷幸喜監督も出席した。

 本作は、三谷幸喜オリジナル脚本による政界コメディー。国民から嫌われ、史上最低の支持率をたたき出した総理大臣・黒田啓介(中井)が記憶喪失になり、金と権力に目がない悪徳政治家から、善良で純朴な「普通のおじさん」になってしまったことを、周囲の人間がひた隠しにする姿をコミカルに描く。
 
 初日の動向および、土日の予約数などを鑑み、30億円を狙える大ヒットスタートを切ったことが告げられると、会場からは大きな拍手。中井は「三谷幸喜の脚本は1回目よりも2回目、2回目よりも3回目が面白い」と客席をあおった。

 そんな中井について、三谷監督が「主役はこの人しかない」と指名したことを明かすと、中井は「本が完璧なんです。役者がこざかしいことを一切考えずに、必死に生きることができる本。それがコメディーになるという理想的な形なので、とてもやりやすい」と三谷脚本を賞賛。司会者から「(それでも)アドリブはあるんですよね」と促された中井は「ほぼないです」と回答したが、三谷監督から「冒頭の『くそ野郎』ってセリフはアドリブですよね? 僕『くそ野郎』なんて書いたことないので」と突っ込まれると「あ、あれはアドリブでした」と苦笑いを浮かべていた。

 錚々たるメンバーのなか、中心になって作品を引っ張った中井。劇中には、邪悪な官房長官・鶴丸大悟を演じた草刈と対峙する場面もあり、草刈は「中井さんとは20年ぐらい前に共演して以来だったので、すごく楽しみでした。当時からすると、貫禄が出て素晴らしい俳優さんになった。彼が中心にいると安心して芝居ができる」と絶賛する。

 「先輩にそう言っていただけるのは嬉しいです」と笑顔を見せていた中井だが「僕らのころ、二枚目俳優と言えば草刈さんでした。その草刈さんですごく印象に残っているのが、僕がデビューしたてのころ、撮影所でテニスの壁打ちをしていたことです。姉(女優の中井貴恵)からラケットをもらったかと思いますが、あれ、勝手に姉貴が持っていったものなんですよ」と発言し、草刈を驚かせていた。
 
 また、10年前に連続ドラマで中井と共演したという小池は、グラビア、バラエティー、女優業のどこに軸足を置いたらいいか迷っていた自分を導いてくれたと感謝。中井は「小池くんの持っているポテンシャルがすごかったので、ほかの人に見せないともったいないと思ったんです。でも、なにかを切らなければ前に進めないよとアドバイスした覚えがあります」と懐かしそうに語っていた。
 
 そんなエピソードに突っ込みを入れつつも、ほほ笑ましく俳優陣を眺めていた三谷監督は「僕は俳優さんが大好き。(彼らの姿を)一番良い形で残したいというのが、映画を作るモチベーションなんです」と語ると「今回は良い形で作れたと思っています」と自信を深めていた。(磯部正和)