沢尻エリカ、映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』インタビューカット

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 文豪・太宰治の『人間失格』誕生の裏にあった太宰と正妻、そして2人の愛人との人間ドラマを小栗旬主演で描き出した映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』。蜷川実花監督とは映画『ヘルタースケルター』(2012)以来のタッグを組む沢尻エリカは、本作で太宰の愛人の1人であった太田静子を演じる。2020年大河ドラマ『麒麟がくる』への出演も決まり「今年は仕事メイン」と宣言する彼女が、恋愛論から尊敬する薬師丸ひろ子への思いまでを明かした。

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 太宰の小説『斜陽』の基となる日記を書いていた静子。“人間は、恋と革命のために生れて来たのだ”の名フレーズは、彼女の言葉だったとされる。この言葉に沢尻は「その通りだと思います。グッときました。私はそこまでのことを言えないけれど、そう言えちゃう静子はスゴイし、そんな恋をしてみたいですよね」と漏らす。

 そして「静子は、恋に恋していた超ピュアな女性。だって、会いたいからって何も考えずに、太宰の家に行ったりするんですよ。奥さんがいるのに」と彼女の奔放っぷりを振り返る。

 太宰と恋に落ちた静子。しかしやがて太宰は静子のもとを去り、新たな愛人との愛を育み始める。悲劇に思えるが、沢尻は静子を「欲しいものを手に入れた女性」だと話す。

 「たしかに最後は煙に巻かれた感じもあって、癪にさわるところもあるけれど、でも結局、静子は一番欲しかったものを手に入れるんです。静子は、恋をしたいときに恋をして、欲しいものを手に入れた。だから彼女なりに納得できていたのだと思います」と分析し、「とにかくハッピー、ルンルンで演じることができました」と破顔した。

 女性たちに感化され、傑作を生み出していく太宰。静子もその恋は「新しい芸術を生む」のだと言い切った。人は人との出会いによって刺激を受け、自らを都度、生まれ変わらせていく。沢尻自身も、多くの人との出会いに刺激を受けてきたという。そのなかの1人が、薬師丸だ。

 2005年の映画『パッチギ!』での演技を高く評価され、多くの映画賞・新人賞を受賞した沢尻が同年、ドラマ初主演を果たした『1リットルの涙』(フジテレビ系)。脊髄小脳変性症を発症した実在の少女の闘病記をベースにしたドラマで、沢尻は主人公の亜也を、薬師丸がその母を演じた。

 「薬師丸さんにはすごく感銘を受けました。まだまだお芝居について全然分からないなかで演じさせていただいているときに、薬師丸さんの、女優としての振る舞いや姿勢を間近で見させていただいた。役に対しての自分の考えをしっかり持って臨まれている姿に、ステキだな、こういうカッコイイ女優さんになれたらいいなと感じたことを覚えています」。

 このとき19歳。本映画タイトルにかけ、20代の頃は「“女優失格”でした」と笑う沢尻だが、33歳になった今は「めちゃくちゃ充実している」と口にする。「仕事もプライベートも手を抜きたくないタイプなのですが、今年は大河ドラマもあるので、仕事メインの年だと捉えています。『人間失格 太宰治と3人の女たち』も素晴らしいものに仕上がりました。実花さんの作品に参加できて光栄ですし、三者三様の女性たちに共感できる点も多々あると思います」。ギアを一段上げた沢尻が、充足と決意の笑みを見せた。(取材・文:望月ふみ 写真:高野広美)

 映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』は全国公開中。