夫を「旦那」「主人」と呼び続ける限り、男も女も不自由

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日本では、自分の夫のことを「うちの旦那」「主人」と表現することが多いですよね。
それ、もうやめませんか? なぜなら、夫のことを「旦那」「主人」と呼び続けることは、男女ともに生きづらい社会を作ることにつながっていると考えるからです。

「旦那」「主人」の意味は?


「旦那」はそもそも、お金を出してくれる人、面倒を見てくれる人、という意味です。「主人」は、一家の主、という意味です。
私が、旦那・主人呼びやめるべき、と提唱している理由のひとつが、時代錯誤感です。
現在は、専業主婦家庭より共働き家庭が増えています。
「夫はお金を稼ぎ、妻は家のことをする」という家庭の数は減り、「夫も妻も外で働いている、お金を稼いでいる」という家庭が増えています。
またお互いがお互いの面倒を見ていることが多いため、夫のみを「面倒を見てくれる人」と表すことは理にかなっていません。
主人という呼び方は、家庭内に主従関係を持ち込みます。
夫が一家の主であれば、妻や子供は主従の「従」となります。
つまり、夫が上の立場、妻・子供が下の立場、ということです。
こういった位置付けは、家父長制が絶対だった時代ならいざ知らず、現代にはそぐわないと言えるでしょう。

「旦那」「主人」と呼び続ける弊害


「夫は、お金を稼いでくれているし、一家の主人だし、旦那・主人と呼んでも間違いはないと思うけど」という人もいるでしょう。
実際に、夫が「主人」であり「お金を出してくれる人」である家庭は多いでしょう。ですが、「男=結婚したら女性の主人になる・お金を稼ぐ存在」になる、という考え方は、様々な面で弊害があります。
実際問題、現代社会では、稼げる男性が少なくなっています。
結婚したら旦那・主人になるのが当たり前、という認識が当たり前だと認識されることによって、「稼げない男性」「外で働けない男性」「リーダーシップをとれない男性」は辛い思いをすることでしょう。
男性の中には、外で働くのには向いていないけれど、そのほかの分野で能力がある人も多数います。
「旦那」「主人」呼びは、「男は外で稼いで妻子を養うべし」という価値観を強化し、メジャー路線に乗れなかった男性を生きづらくさせる効果があると感じるのです。
また、女性側にももちろん弊害があります。
日本は男女の賃金格差が大きい国です。大企業の幹部や、政治家の女性比率も、先進国で最低レベルです。
これには様々な要因が考えられますが、ひとつには、女性自身が「女性は男性のサポートをするもの」「経済活動は男性がするもの」という価値観を内面化していることが挙げられます。
「旦那」「主人」呼びは、こういった男女の経済格差、社会的地位の格差を広げる価値観を強化している役割もあると感じるのです。

さいごに。じゃあ、なんて呼べばいいんだ!問題


とはいえ、友達の夫のことを呼ぶときに、「〇〇ちゃんの夫は」と呼ぶのは違和感があります。今現在、「旦那」「主人」に変わる、最適な呼称は見当たりません。
ジェンダーギャップが解消され、「男は絶対に稼げないとだめ。妻子を養えない男はだめ男」「女性は夫をサポートするもの。家事や子供をほったかして仕事なんてとんでもない」と言われることのない国になったとき、「旦那」「主人」に変わる、新しい呼称が登場してくるのかもしれません。
男女の生き方の多様性を排除しない、新しい言葉が普及する未来がくることを願っています。
(今来 今/ライター)