BANKの光本勇介代表(2017年6月撮影)

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 物を即時に現金化するサービス「キャッシュ(CASH)」などを展開するバンク(BANK)の創業者 光本勇介代表が、同社を解散すると9月12日に発表した。事業は別会社に売却を予定している。

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 同社は、ネットショップ作成サービス「ストアーズ・ドット・ジェーピー(STORES.jp)」を立ち上げた光本氏が2017年2月に設立。同年6月に提供を開始したキャッシュは、取り引きしたいアイテムの情報を入力し撮影するだけで瞬時にキャッシュ化できるという、少額融資のニーズに対応したこれまでにないサービス内容で注目を集め、利用過多でリリースからわずか16時間34分でキャッシュ機能が停止するなど話題を呼んだ。斬新なサービス内容に注目したDMM.comが同年11月に同社を70億円で買収したが、1年後に光本氏によるマネジメント・バイアウト(MBO)で独立。現在はキャッシュのほか、後払い専用の旅行代理店アプリ「トラベルナウ(TRAVEL Now)」と、"現代版物々交換"と位置付けた新たな決済手段「モノ払い」を展開している。

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 光本氏の声明によると、事業単体では黒字化を達成しているが、50人弱のチームであることから「自分たちの資本とチカラだけでは、希望するスピードで、理想とする規模の事業にするのに時間がかかる」とし、事業を売却することで各サービスを継続および進化させていくことを決めたという。トラベルナウは10月上旬に事業売却を予定。キャッシュとモノ払いについては現在、複数社と協議を進めている段階だという。

 なお、バンクの社員は光本氏が取締役を務めているヘイ(hey)などに移籍。解散後の移籍先が決まっていないスタッフについては光本氏が責任を持ってサポートしていくという。光本氏自身の解散後の活動については「少しだけ時間を置きつつ、ゆっくりと考え、次のチャレンジにつなげていけたらと考えています」としている。

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