岡本は球界のセオリーを超えた大器

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 首位巨人は10日の2位DeNA戦(横浜)で逆転勝ちを収め、優勝マジック「9」が再点灯。価値ある2打席連続アーチの岡本和真内野手(23)は、4番の大先輩の原辰徳監督(61)も「僕には測れない」と理解に苦しむほど、規格外の怪物と化してきた。

 2位との直接対決で、勝てばマジック復活とはいえ、相手先発はエース今永。防御率リーグ1位の左腕に巨人打線はこの日も、試合中盤まで1安打に抑えられた。1点を追う6回2死無走者で、3番丸がフルカウントからきわどいコースを選び四球。続く4番の岡本は今季11打数1安打6三振と今永を大の苦手にしてきたが、この打席は「回ってこい、回ってこい」と念じていたという。

 その初球はチェンジアップ。ものの見事にとらえた打球が、あっという間に左中間スタンド上段に突き刺さった。値千金の27号逆転2ランをベンチで目撃した原監督は、喜び以上に感じた驚きで思わず首をひねった。

 「僕としては考えられない。四球の後の真っ直ぐをカーンなら分かるけど、ああいう場面でチェンジアップを仕留めた。なんて評価していいか。僕なんかが測れない」

 確かに球界のセオリーでは、四球直後の初球は直球待ちが定石とされるが、岡本は「僕はそういうことは何も考えてなかったですね」とセオリーをガン無視。8回には一転、2番手エスコバーの155キロ速球をとらえ、2打席連続となる28号ソロでトドメを刺した。

 令和新時代に巨人の4番に座る男は、長く聖域を守った原監督にとっても、理解の範疇を超えた存在だ。先月28日の広島戦(東京ドーム)でも、岡本がバックスクリーン左への一発を「いい方向でしたね!」と自画自賛したと聞くと、指揮官は「う〜ん、そうですか…」と絶句。「(スタンドの)一番深いところに持っていったというね。打球方向。彼流の…、そうですね」と整理のつかない表情だった。

 原監督が大学を出てプロ1年目は22本塁打。高卒5年目の岡本は同じ23歳のシーズンに、2年連続30発の大台へあと2本まで迫った。自身の活躍でマジックを再点灯させたものの、優勝へのカウントダウンには「初体験なので、あまり気にせずやっていきたい」と反応薄。規格外の若き主砲は打席を離れても、思考回路につかみどころがない。(笹森倫)