安倍首相(右)と石破氏の距離は遠くなるばかりだ

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 安倍晋三首相が11日に実施した内閣改造・自民党役員人事では、石破派(水月会、19人)からの起用はゼロに終わった。同派会長の石破茂元幹事長が「反安倍」の姿勢を崩さず、一部メディアに乗せられてか、後ろから鉄砲を撃つように感じられる言動を繰り返したことが影響したようだ。

 安倍首相は昨年10月の内閣改造で、同派から山下貴司氏を法相に「一本釣り」したが、今回は石破氏に積極的な動きは見られなかった。

 石破氏は「ポスト安倍」に意欲をみせるが、最近は存在感を発揮できていない。先の参院選では10都県に応援に入ったが、新元号「令和」の発表で人気上昇中の菅義偉官房長官らにお株を奪われ、かつての人気に陰りが見えている。

 自らの言動も求心力を落とす。8月23日付のブログでは、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた理由は「日本が敗戦後、戦争責任と正面から向き合ってこなかったことが問題の根底にある」と発信した。

 すると、官邸周辺からは「どこの党の人なの?」とあきれられ、ネット上では「鳩山由紀夫元首相とソックリだ」とそっぽを向かれた。

 安倍首相は今回の人事で、菅氏や岸田文雄政調会長、茂木敏充外相、河野太郎防衛相、加藤勝信厚労相の5人を軸に「ポスト安倍」候補として競わせることにした。石破氏を「ポスト安倍」候補から外したのか。

 ただ、配慮(?)も感じられた。2012年と18年の総裁選で石破氏に投票した小泉進次郎衆院議員を環境相に抜擢(ばってき)したのだ。石破派からは入閣ゼロでも、石破氏支持勢力に気を配ったともいえそうだ。